2014年12月22日月曜日

輪中と四日市コンビナート


なんか、小学校の社会の授業に出てきそうなタイトルですが・・・

先月、今年最後のサイクリングと宣言したにもかかわらず

12月の激寒の中、またまたサイクリングに。

今年も、日本中サイクリングができて、幸せな一年でした。


輪中の堤防上は、風を遮るものがない吹きさらし状態。



四日市では、”工場夜景萌え”を観るためにナイトラン。



それでは、前回の続きをお話しします。
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【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】

●アパート・マンション経営にも! すべての土地活用に3つの原則を

 建築投資利回りは、建築費を収益で割った数字です。
 いくら投資して、どれだけ儲かるかという目安になります。
 一般的には、ファミリーマンションで7から8%、ワンルームマンションで9から10%、大手建築会社主導によるロードサイド店舗で15%から20%といわれています。
 ワンルームマンションよりファミリーマンションの方が、建築費がたくさんかかり、その割に賃料が少ないことがわかりますね。住居用の建物より、店舗の方が建築費は安く、しかも賃料も高く安定していることが、数字にあらわれています。
 最近、当社の建築投資利回りを計算してみたら48.3%でした。この差がどこで生まれるかというと、建築費と工事区分です。
 まず建設費についてご説明しましょう。建築会社やハウスメーカーは建物を建てるのが本業。私は仲介料とコンサルタントフィーをいただくことで利益とし会社を経営しています。主に手がけるのは店舗ですので、出店するテナントさんに、どんな建物を建てたいのか仕様をお聞きするとともに、建設協力金の額をご相談します。既にいくつもの店舗を出店しておいでなので、ご自分が建てたい建築物がいくら程で建つのかよくご存知です。実際、その仕様書をもとに建築会社に相談すると、店舗の建築協力金内で建てることができます。建築会社は1社だけでなく複数社に見積りをお願いする入札とします。
 私が声をかける建築会社さんの間にそれほど大きな金額の開きはありません。適正価格は、企業間の競争原理の中で生まれるのではないでしょうか。良質の建築物を適正価格で建築すること、それが建築会社が社会で果たす役割だと私は考えます。
 次に工事区分ですが、これが重要なのです。ただ建設費を安くするだけでは、投資利回りが倍以上にはなりません。建物すべての工事区分を地主さんの所有にします。建築費を負担しなくても建物を登記できる必要最低限の???するのがコツです。
 このような仕組みで、私が考えた3つの原則のひとつ、地主さんが「借金をしない」土地活用を可能なかぎり実現しています。
 私が提唱する、原則は次の3つです。 

(1) 借金をしない。

(2) 責任を分け合う。

(3) 繁盛店にする。

 このフレーズは私が当社で使っているものなので、賃貸店舗による土地活用向けの言い方です。しかし、その考え方は、駐車場でもアパートでもマンションでも、寮でも店舗でもすべての土地活用を自分で確かめる時、道筋として活用できるものと思います。
「借金しない」は、背負うリスクを明確にし、なるべく少なくすることです。
「相続税対策に借金はあたり前」
「土地活用に建物は必要。建築費の借金なしに土地活用はありえない」
 そんな風にもの言う業者に、もう一度、疑問の目で提案書をチェックしてください。
「で、つまり、いくら儲かるのだろうか」と収益の手残り金ばかりに目がいっていると、土地活用の全体像を見失います。自分のリスクを明確にすること。競争原理のもと適正価格が生まれるように、安物でなく、良質のものを手にいれる努力をすることなど、あなたが検討できることは少なくありません。
 次に「責任を分け合う」ですが、賃貸店舗の場合は、中途解約の場合は建築協力金を放棄する契約内容とします。これは地主さんの都合で中途解約する場合もそうです。これは地主と店舗が責任を分け合った関係です。
 この責任を分け合う関係づくりは、土地活用の種類によっては提案業者とのつきあい方に活かすことができます。というのも、責任のないところに立ち、言いたい放題の現状の業者を少なからず見かけることができうるからです。
 結局、責任をとれるのは雨漏りなど建築物に関する修理なのに、収支の予測をたて手残り金額を示し、建築の決断を促す業者がなんと多いことか。その土地に適しているからでなく、シングルマンションでなくファミリーマンションが得意だというだけで、シングルマンションの提案を選択肢を外し、その事実を示さずに決断を促す業者もいます。
 事例によっては、ペナルティとういカタチをとれるものもあるかもしれません。どこにお互いの益があるのか、それを見極めることは、「だまされた」と後悔しないために、とても大事なことです。
 最後に「繁盛店にする」は、土地活用全体で言えば、その土地にあう活用方法を選ぶことです。たとえば、賃貸マンションだったら、シングル向きかファミリー向きなのか、デザイナーズマンションなのか、一戸建て風のメゾネット式のアパートなのか、設備仕様のグレードは、などを検討することで、人気のある物件とすることができるのです。寮か、駐車場か。土地活用も他の経営と同様、マーケットに聞くことが重要です。


・・・次回は、

- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 想像できますか? 3年後、5年後、10年後のあなた

●土地が勝手に金を生むは嘘! 

について、お話します。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2014年11月25日火曜日

小春日和


別府~湯布院にサイクリング。
今年、最後のサイクリングです。たぶん(^_^)

小春日和の気持ちいい3連休でした。



別府で何度かサイクリングしましたが、
温泉にはじめてつかりました。




それでは、前回の続きをお話しします。
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【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】

●4年間で114件 無借金の土地活用を実現

 借金せずに土地活用はできます。
 私は起業して以来、借金なしの土地活用をすでに100件以上お手伝いしました。

「無借金の土地活用では相続税対策にならないのではないか」と疑問に思われるかもしれません。多くの地主さんが、多額の建築費を支払うために銀行から融資を受けるのは、賃貸収入で返済すれば良いという考えと、相続税対策になるからという考えからでしょう。借金がなくても、自分名義の建物を他人に貸せば借家建付地となり、土地の評価額は下がり、相続税対策になることをご存知でしょうか。私がお手伝いしている土地活用の考え方は、「借金して相続税対策しましょう」というものとは違います。
 先祖から受け継いだ土地には、いろいろな思いもあり、自分の代でなくすのでなく、そのまま相続させたいという気持ちをお持ちの方がほとんどだと思います。そこには、相続をさせたい方への愛情があるからでしょう。
 借金によって相続税は減っても、収益の仕組みがしっかりしていなければ、相続する方に迷惑というものです。20年後に賃貸マンションを相続することは、土地にプラスして築20年という古いマンション経営を相続するということです。多々あるケースですが、他に仕事を持っており、賃貸住宅の経営経験がない人が、しかも築年数のたったおんぼろマンションを前に「さあ、あなたは相続しました、これから、経営してください」といわれたとしたら、果たしてみんながみんな喜ぶでしょうか。
 これは、決してめずらしいことではありません。土地活用によって経営という仕事がうまれるのなら、相続人はそれをも含めて相続することになります。借金で相続税は減ったものの、空室をいかに埋めるかに常に四苦八苦する老朽化した賃貸マンションでは、相続人は重荷と思うかもしれませんね。

 私は、固定資産税は借金の相続のようなものだと考えています。月7万円の税金を支払わなくてはならない土地を相続した人は、月7万円の借金を相続したことと同じといえます。

 私が提案する土地活用は、「収益をきちんと上げる仕組みを作りましょう。固定資産税もかかります。相続税もかかりますが、それを払える原資を作リましょう」というものです。だから、「まず借金を」という考えはなく、むしろ「借金はリスクですよ」と地主さんに申し上げています。仮に月20万円の収益を生む土地活用がなされているのなら感謝の気持ちで相続できるというものです。

 建築会社との請負契約やテナントとの賃料契約などの機会には、地主さんの息子さんが同席されることがあります。重要な場だから、会社を休み、父親の契約の場に出てきたという趣です。私は、地主さん自身が借り手の経営者と風通しのよい人間関係を作るとともに、いずれ相続する方が決まっているのであれば、機会ある度、会って話をするよう、おすすめしています。
 契約時だけでなく、私が仲介をお手伝いした地主さんと店舗さんには、「3年たったら賃料の協議する」と賃貸借契約書に書いてある通り、話し合いの場を私が双方の都合を聞き、設定させていただいております。これは最初から私どものサービスのメニューとして用意しています。

 建物が竣工したら、仲介契約書にハンコを押していただいたら、それで終わりの仕事ではなく、竣工後、入居後も、そして3年がたったあとも、私どもでは地主さんとも店舗さんともお付き合いをさせていただいております。だからこそ、不動産仲介業でもありながら、土地活用コンサルタントと名乗っても良いのではと思っています。
 建築前に一室月10万円の賃料でプランを提案されていたにも関わらず、入居者が入らないので相談すると「8万円にしたらどうですか」との返事。では、あの提案書の数字はなんだったのか、と思っても、地主さんはもう後戻りはできません。
 もちろんそんな業者ばかりでなく、土地活用の現場をよく知っている業者とともに青写真通りの土地活用を実現されている方も、いらっしゃいます。借金をさせ、賃貸マンションを建てさせる業者のすべてが悪いのでなく、中味や相手を吟味することが大切です。

 アフターフォローは、ひとつの目安になります。あなたが組もうとしている相手は、建ったあとも顔を出してくるでしょうか。あなたが困った時、どんな頼りになるでしょうか。
 私どもでは、創業以来4年間で114件の土地活用をお手伝いさせていただきました。そして、そのすべての地主さんと今もお付き合いがあります。契約、竣工、入居、3年たったあとの賃料協議の設定、他にも節目毎に訪問することはもちろん、年4回、返信ハガキ付きのニュースレターを郵送し、質問や相談、感想、日々の出来事など思い立ったことを書いて返送していただけるようにしています。
 これは単なるアフターフォローではなく、当社の姿勢として実行しています。ここに私が起業をした意味があると考えるからです。


・・・さて次回は、


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】 

アパート・マンション経営にも! すべての土地活用に3つの原則を 


について、お伝えします。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2014年10月31日金曜日

土地活用としての高齢者向け施設


昨日、地域密着型特別養護老人ホーム「憩~荻野~」のオープニングセレモニーが催されました。


高齢化社会のなか、地域解放スペースを併設し、地域の方々にも歓迎される施設ができたと思います。




土地活用としても、50年間の一般定期借地で、長期安定収入を実現できる手法です。立地に条件が多い店舗系の土地活用だけでなく、敷地の特性を生かした土地活用が大切です。


それでは、前回の続きをお話しします。
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【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】

●起業、発見! 土地活用3つの原則

 事務所は熱帯魚屋の2階。窓のない物置部屋に、中古の事務机に中古のパソコンを並べてのスタートでした。2003年に独立して会社をはじめたものの、確かな勝算があったわけではありません。自分の考え通りにやってみたい、そんな情熱だけだったかもしれません。
 事業開始後1年で6000万円を売上ました。
 私にとって、この6000万円は、「自分の考えが間違いない」「支持されているのだ」という確信を深めるに充分な金額でした。
 空いた店舗と借金と年配の妻を残し逝った地主さんの無念を、「仕事だもの、そんなこともある」と受け入れることが、不動産業や建築業で経験を積み重ねることだとしたら、それは私にはできないということでした。あるいは、それを受け入れることが、会社員として出世することだとしたら、それも私にはできなかったのです。
 「創業社長」「借金のない土地活用の実現」と看板はきらびやかですが、私は自分の本能に従って、私が生きやすい道を選んだだけなのです。
 そんな風にはじめた会社ですが、3年後には、年商2億円を超し、創業5年目で、年商9億円の企業へと育ちました。新卒社員も採用するようになりました。
 みなさんにわかっていただきやすいよう土地活用コンサルタントと名乗っておりますが、既存の慣習にはまったく興味はありません。むしろ時代にあった新しいシステムを作っていくことが私たちの役割だと思っています。
 「もうあんな思いはしたくない」そこが原点となり、会社を立ち上げ走り出すと、地主さんを守るための契約には、ある原則があることが見えてきました。それが本書の題名にもなっている3つの原則です。

(1) 借金をしない。
(2) 責任を分け合う。
(3) 繁盛店にする。

 土地活用を考えたら、まず借り手を決めます。そして建築協力金をなるべくたくさん、できれば全額出していただきます。その資金で建物を建築します。10年から20年の賃貸契約期間中に、中途で店舗を出る場合には、建築協力金を放棄するというペナルティを課します。
 地域に、立地にあった業種の店舗であること、経営姿勢の賛同できる企業であることも重要です。賃料をいちばん高く払うテナントを選ぶ方法でなく、昔風にいえば、大家さんと店子さんの良き関係を作ることです。
 焼肉チェーンと契約しているある地主さんは、あの狂牛病騒ぎの時、店長さんと忌憚ない話をし、賃料の値下げを決断されました。一時的に賃料が下がることより、10年なり20年なり双方が契約した期間中、経営が続き地主さんに定期的な賃料が入る道を選ばれたのです。

 「店舗が出店できる土地は限られたところ。多くの地主にとって関係ない話」とお思いになる方がいらっしゃるかもしれません。確かにこの三原則はそのまま、すべての事例にあてはまるわけではありません。しかし、土地活用のリスクを考える時、それがどんな種類の土地活用であっても共通の軸になるものだと思います。
 もっといえば、現在の土地活用には、地主さんが拠り所とすべき確信を持ちにくいのではないのでしょうか。その原因は、提案する側の良心に、問題があると私は思います。
 賃貸店舗による土地活用を地主さんにご提案する会社は、建築会社やハウスメーカーなどがあります。同じ会社に賃貸店舗とアパートや賃貸マンションによる土地活用を行なう部署を持つ企業もあります。これはよく聞かれるエピソードですが、店舗の提案をしている営業マンが自分が作成した提案書を「マンションほど、めちゃくちゃなことはしていない。まだ良心的だ」と自分で自分を慰めるというものです。
 不動産業界に、建築業界に、顧客サービスや顧客満足を大事にしている企業がどれほどあるでしょう。私は地主さんが他の業界での顧客ほど守られていないと感じています。
 「建築費を借金してもらって、まずマンションを建てないことには話は始まらない」という業者の常識から自由になって、土地活用を考えていただきたいと思います。駐車場、倉庫、寮、店舗など土地活用の方法は、マンション以外にもたくさんあります。
 賃貸マンションを銀行融資を受け建築し、経営することにしたとしても、広い視野から検証して決断するために、3つの原則はきっと役立つものと私は考えます。

・・・次回は、

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】

● 4年間で114件 無借金の土地活用を実現


について、お話します。


居抜き店舗のreTENPO
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2014年10月21日火曜日

ネット環境の変化で、仕事も変わってきました


 ここ数年、ネット環境や携帯端末が大きく変化し、仕事の方法が以前と大きく変わってきました。特に、スマートフォン、タブレット端末、クラウドの普及の影響が大きく、良くも悪くも、仕事とプライベートの垣根がどんどんなくなってきています。

 
 会社で仕事をする時間が大幅に減り、以前に比べて早出や残業も少なくなりました。休日出勤もほとんどありません。逆に、家や旅行先で仕事をする時間が多くなってきています。これも、時代の流れかもしれません。便利と言えば、便利なんですが・・・。


それでは、前回の続きをお話しします。
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【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】

●きっかけは、老夫妻の借金

 営業マンとして順調すぎたせいでしょうか。ある悩みの種は私の中で大きく育ち、体調を崩しとうとう入院するまでになりました。
 私が土地活用をお手伝いしたお客さまに、ある年配のご夫妻がいらっしゃいました。食品加工の工場をお持ちで、小さく堅いご商売をしておいででした。その利益から遊休地の固定資産税を払い続けるより、テナントからの家賃で払っていきたいとお考えになり、私が店舗の縁組みと店舗の建築をお手伝いしました。
 建物が竣工し、仲介契約も済み、これで私の仕事も終わりです。またひとつ、仕事をやり遂げたことに満足したと思います。それほどに私の中では何も特別な案件ではなかったのです。
 数年ほどして連絡がありました。私が仲介したテナントの業績が悪く契約満了前に出ていったと話され、次に入るテナントを探して欲しいという依頼でした。
 
 なんとかしてあげなくては、と思いました。
 
 お困りの理由は、その案件を手がけた私自身には、予測できました。借金の返済です。
 地主さんは、テナントが預けた建設協力金だけでなく、銀行から借金をして建築費用にあてていました。私が仲介したテナントは契約時に預けた建設協力金を全額放棄して途中で解約したので、罪悪感はなく、むしろ地主さんには、良いことをして出ていったと思っているでしょう。しかし、地主さんの方には、早急に次のテナントさんを探す必要があったのです。テナントが賃料を払っているうちは、そこから借金を払えばよく、まったく問題はありませんでしたが、出ていったとなれば、即、銀行への返済に困ります。それが現実に起こったのです。そして、その資金計画の提案をご夫妻にしたのは、私でした。
 この対応に、当時の上司の回答は建築会社として当然の内容でした。建物を解体し、新しいテナントを探し、建築協力金を出してもらうとともに、地主さんにも新たに銀行から借入をしてもらい、再び新しい店舗を建てていただく、というものでした。建築会社ですから、仲介だけを商いにしてはいません。
 更に借金を重ねるこの提案を、会社員の私は地主さんに説明しに行きました。
 老朽化もせず使える建物が目の前にあり、地主さんのご希望は、代わりに入っていただけるテナントさんのご紹介なのに、建築会社の営業マンの私では、その要望にはお応えできないのです。
 そんななか、ご主人が病気で他界されました。
 空いた店舗と借金と年配のご婦人が残されました。
「主人は無念な思いのまま、逝きましたよ」とご婦人が私におっしゃった言葉を今も憶えています。
 不動産業界や建築業界にどっぷり浸かり、海千山千の経験をしてきたのなら、こんなことはよくある話、と片付けられるかもしれません。偶然入った建築会社でいきなり負け知らずのトップ営業マンとして走ってきた私は、初めて思い悩みました。とうとう、体調を崩し入院しました。
 
 何が悪かったのか。

 私に何ができるのか。

 どうしたいのか。
 
 病床で考え、退職を決意しました。悪いのは借金です。バブルという時代が、地主が借金をしても賃料で返済できる保証となっていました。しかし、景気は明らかに下降状態。仮に好況でも、地主が借金せずにテナントが出す建設協力金だけで、建築する方が喜ばれるのではないのか。建築会社も適正な利益が確保できれば、店舗を建築したいというところもあるのではないだろうか。現実にできるかどうかわかりませんでしたが、それがみんながハッピーになれる方法だと私なりに結論しました。
 会社を辞めることには未練はありませんでした。
 多分、私には、業界や会社といったものに対する執着が少ないでしょう。不動産業界、建築業界の慣習にどっぷり浸かることができませんでした。エリートサラリーマンとして出世することも魅力に思えませんでした。
 言葉にするときれいごとに聞こえるかもしれませんが、「自分自身が気持ちよく仕事をしたい」「人に役立つ仕事をしたい」、それが病床で気づいた私がやりたいことです。
 自己資金は10万円。友人の熱帯魚屋さんの2階が事務所です。
 2003年、地主さんが借金しない土地活用を指導する会社を私は立ち上げました。


・・・さて次回は、


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】

●起業、発見! 土地活用三つの原則 


についてお話します。


居抜き店舗のreTENPO
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2014年9月18日木曜日

ツール・ド・東北2014


「第2回ツールド東北」北上フォンド(100㎞)に参加しました。



石巻から三陸海岸を走るコースで、気候も良く、すばらしい景色でした。


 

私にとって、東日本大震災以降はじめての東北でした。

震災の傷跡は想像以上に大きく、今でも多くの方が避難生活をされています。



それでは、前回の続きをお話しします。
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【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】

●負け知らずの営業マンだった

 気がつけば、土地活用のコンサルタントを仕事にして15年がたちます。

 まったく縁のなかった建築や不動産業に関わったのは、偶然、入社した会社が建設会社だったからです。しかも配属されたのが、土地活用をお考えの地主さんに、多店舗展開をご希望のテナントさんをご紹介し、不動産仲介とともに店舗の建築もさせていただくというめずらしい部署でした。

 思うところがあり2003年に独立、起業しました。今も地主さんとテナントさんの縁組みのお仕事をさせていただいております。

 15年間、ひとつの仕事に取り組んできましたが、その出会いは、まったくの偶然でした。私の生き方は、いつも偶然の積み重ねで導かれてきたようなもので、「社長になりたい」、「この業界で成功したい」、といった欲はあまりない方かもしれません。それよりも仕組みづくりに興味があり「こうすればもっと良くなる」「ここを改善したい」といった方に目が向くようです。

 もともと幼稚園の先生になりたいと教育大学に入学し、卒業後、憧れの職業には就けなかったので、何となく就職活動をして社会人なりました。しばらくして、どうせ会社員をするのなら大きな会社がいいな、と思い、再び就職活動をはじめました。応募したいくつかの会社の中で、いちばん早く面接の連絡をしてきたのが、起業まで勤めていた建築会社です。

 コンビニエンス・ストアにファーストフード店、ファミリーレストランに紳士服店、眼鏡チェーン、ドラッグストアなど、一目でそれとわかる建物で積極的に多店舗展開している企業があります。たくさん店舗を出すのに土地を購入していては費用がかさむので、建築協力金を先に地主さんに払うことで、その会社の仕様の建物を建ててもらい、賃貸契約をします。望みの建物を建てることができ、賃料は経費にすることができるところが利点です。

 一方、地主さんは、建設費を全額自分で用意しなくても、建設協力金で建物を建てることができ、賃貸住宅のように戸数分が出たり入ったりというような管理でなく、賃貸相手はひとつ、しかも通常、契約は15年から20年と長いため、誤差の小さな資金計画を立てられるところが利点です。

 さて、私が勤めていたのは建築会社ですから、建物を建てさせていただくことが、当然、望むべき仕事です。同時に不動産賃貸業務もお手伝いしていました。仲介料は賃料の1カ月分までと宅建業法で決まっています。仮に月100万の賃料なら同額の手数料でしかありません。手間のかかるものですが、建築会社なので、建物を作らせていただくサービスのひとつと考えられていました。

 時代もよかったのですね。バブルで景気は上向き。畑が更地となり店舗が建ち、変わり行く街並を見ながら、街づくりに貢献し、人様の役にたっているのだと実感できました。

 不動産業界も建築業界もまったくの未経験の私は、中途入社にも関わらず、営業マンとしてはトップの成績を収めることができました。入社1年目で受注高11億円を計上。それも苦労して地べたを張ってたたき出した数字ではなく、確かに営業活動には一生懸命に取り組みましたが、ハッピーな毎日でした。

 テナントさん、地主さん、勤め先である建築会社がそれぞれ何を望み、どうしたいかを私は知っており、それを実現することが私の仕事だったのです。

 テナントさんは出店したいエリアがあり、希望に叶う土地をお探しでした。

 地主さんは、名の知れたしっかりした企業に、貸したいと考えていました。

 勤め先は、建物を建築することで売り上げを伸ばすのが目的です。

 そしていちばん大切なことが、それを実行したら、感謝されるばかりで、誰ひとり損をしないということでした。時代がそれを可能としていました。

 地主さんを訪問して、話題になるのは「どんなテナントか」で「いくら収益があがるか」という点でした。建築会社の会社員でしたが、どんな仕様の建築物か説明しても、地主さんの関心はどうしても収益の仕組みに向いてしまいます。当時の私は、建築を語ることのない建築会社の営業マンでした。

 当時の賃貸借契約書には賃料改定の協議の項目に、「賃料の額は、本物件の引渡し日の月から満3カ年据え置き、4年目に前月の賃料を基礎額として景気の上昇等を考慮の上、協議するものとし・・・」とありました。好景気でどんどん賃料相場が上がるので、賃料の見直しをしようと言うものです。現在は「景気の上昇等を考慮の上」との文言はもちろんありません。

 偶然、転職した先の会社はみなさんに喜んでもらえる商品を持っており、私は苦もなく売りに売って、トップ営業マンとして同期の中でいち早く出世。ところが負け知らずの営業マンは、ある事件で立ち止まります。


・・・さて次回は、


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】

●きっかけは、老夫妻の借金 


についてお話します。


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2014年8月20日水曜日

ラピュタの道


今年のお盆は、全国各地で大雨でした。
にもかかわらず、私の夏休みはいつものようにサイクリング。

今回は、フェリーで大分まで移動し、そこから阿蘇への往復です。


 阿蘇外輪山には、サイクリスト憧れの「ラピュタの道」と呼ばれる農道があります。

ずっと雨と霧でしたが、「ラピュタの道」に着いたときだけ、雨が止みました。

晴れ男の本領発揮です。



それでは、前回の続きをお話しします。
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【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
新たな土地活用は、あなたが創業社長になることなのです。】

 私は起業するまでサラリーマンでした。
 今は、小さいながら一国一城の主、自分で作った会社なので創業社長です。

 私は、土地活用コンサルタントという仕事柄、多くの地主さんとお会いします。すでになにか土地活用をされている方や「これからなにかはじめたい」、「なにか対策しなくては」と考えておいでの方々です。

 土地活用は、買い物ではありません。事業です。

 20戸程度の賃貸マンションでも、その建設費はおよそ2億円。しかも一般的に、その建築資金は銀行などから融資を受けた借金です。アパートや賃貸マンンションの経営は、億単位の先行投資をして、長期で回収するビジネスです。

 私は30代半ばに、手持ちの資金10万円で今の会社をスタートしました。
会社員を辞めたときに戻り、「さあ、2億円の借金をしてビジネスをはじめなさい」と言われたら、しかもそれが、自分の知らない分野だとしたら、随分、思い悩むことでしょう。寝ずに考えたことだと思います。
 「勝算はあるだろうか」
 「果たして自分はやりきれるだろうか」
 「借金が返せなければ、一家離散もありえるだろう。妻や子どもへの責任はどうしよう」
 いろいろなケースを考え、リスクを最小にする方法を探ることでしょう。

 創業社長として数年、経営に取り組んでいると、借金の重みはたいへん良くわかります。新たな土地活用プランをはじめるということは、新しい大きな事業を立ち上げ、自分が経営者、しかも創業者になることだと、私は考えています。

 多くの地主さんと接して感じるのは、新しく事業を立ち上げるという自覚がないことです。むしろ、ちょっと大きな買い物をする、というような感覚のように思われます。建築会社から、自動的に借金返済ができ利益を運ぶ建築物を買ったのだ、と思われている地主さんも少なくありません。
 

 本当にそうでしょうか。

 竣工後、建築会社に「入居者が思うように集まらない」と文句を言う大家さんがいます。建築会社は、雨漏りなど建物の補修はしてくれますが、事業計画書通りの出入金を保証してはくれません。
 「だまされた」
 「こんなはずではなかった」
借金までして買ったのは単なる建築物ではなく、確実に収益をもたらす仕組みだと思っていると、こんな気持ちになります。

 今の時代、何もしなければ、不動産を減らすことなく相続させることは、難しいことです。だからこそ、地主のみなさんが、土地活用を考えます。相続の対策のために借金してアパートや賃貸マンションの経営をはじめる、という方法は、まわりに例が多く、挑戦するのに垣根が低そうに見えます。
 「他所もやっているから大丈夫」
 「銀行が言うから大丈夫」
 「上場企業の建築会社が言うから大丈夫」
 「会計士も言うから大丈夫」
大丈夫ではありません。他人任せにすると、土地活用は、成功しません。

 土地活用コンサルタントの私が得意分野としているのは、多店舗展開をする企業と地主さんを賃貸契約で縁組みする仕事です。同じ土地活用でもアパートや賃貸マンションの経営と比べると、契約相手も決まっており、たいていは15年、20年という長期にわたる契約なので、将来の不確定要素が少ないのが特徴です。土地活用は長期の事業です。不確実な時代に少しでも確実性を高めるのにアパートや賃貸マンションの経営より、店舗の方が少しは有利でしょう。
 「では、賃貸店舗をすればいいのだな」
そう思いませんでしたか。それではダメです。
 

 地主さんには、もっと勉強していただいて、自分で考え決めて欲しいと私は思います。いとも簡単に業者の言うことを聞き、何千万から億単位の投資(借金)を決めてしまわれる地主さんに、私は、「それではだめですよ」と言いたいのです。
 15年間、不動産と建築業界で仕事をしていると、「なぜ、こんな仕組みになっているのだろうか」「この習慣がまかり通るのはなぜだろう」と不思議に思うことが多々あります。業界でコンサルタントをしている私がそう思うのですから、地主さんにとってわかりづらいことは当然です。

 私は地主さんの土地活用をお手伝いするうちに、地主さんの権利を守るために3つの原則をというものを見つけました。私の会社のメンバーは、この3つの原則を実践することで土地活用コンサルタントと名乗っていると言ってもいいでしょう。
 
 本書では、この原則を公開するとともに、業界の仕組みについても触れています。駐車場、倉庫、賃貸住宅、社宅、寮、賃貸店舗を問わず、すべての土地活用を考えるとき、その基本になるものだと考えるからです。
 「業者が持ってくる提案が、なんだかしっくりこなかった」
 「どうしても最後の結論が出せなくて、決めかねていた」
そう思う地主さんは、その理由を本書で見つけていただけることと思います。

 地主さん自身が納得して土地活用を始めていただく、そのために業界はもっともっと情報を公開し、消費者(地主さん)を守るべき姿勢を示すべきだと、私は考えています。
 本書がその一助となり、土地活用を思案中のみなさんに、考え方のひとつの道標となることができれば幸いです。


・・・では次回は、


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
百人以上の大家さんが実現した借金なしの土地活用、発見への道 】

● 負け知らずの営業マンだった


についてお話します。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2014年7月22日火曜日

鹿児島県 内之浦ロケットセンター


「弾丸フェリー」をご存じですか?


 最近、新幹線や飛行機が便利になって、フェリーを利用することは少ないと思います。特に、週末は時間が限られているのでなかなか船旅を計画することは難しいと考えられています。

 そこで企画されたのが「弾丸フェリー」。土曜の夜出発して、日曜日の朝に港着。その日の夕方に出港して、月曜日の朝に港に戻るという強行軍です。
料金は、大阪~鹿児島往復で10000円という格安です。

 今回、以前から行きたかった、鹿児島県の内之浦ロケットセンターに、弾丸フェリーを利用して、弾丸サイクリングをしてきました。

梅雨明けの快晴で楽しいサイクリングができました


それでは、前回の続きをお話しします。
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- トータル ストア プラン -
 お互いがより良い関係で話し合えるために 】
 
 もちろん株式会社TENPO beでは、「トータル ストア プラン」として、協議予定日の3ヶ月前から土地オーナーとテナントの双方のヒアリングを始め、お互いがより良い関係で話し合える下準備を行っています。
 
 土地オーナーとテナントとの力関係は3つの段階があると思います。
 第1段階は賃貸借契約をするまでです。この段階は、非常に土地オーナーの立場が強く“土地を貸してあげましょうか”という段階です。テナントに対して土地オーナーがいろいろと注文をつけるのもこの段階です。
 次に第2段階は、賃貸借契約後、店がオープンするまでの間です。この間が土地オーナーもテナントも店のオープンに期待が膨らみ双方同じ目標に向かって対等の立場で協力し合います。土地オーナーとテナントの関係だけでいうと理想的な状態かもしれません。
 そして、一番長い最後の第3段階。これは店のオープン後、賃貸借契約期間の10~20年間のことです。この段階は一転して土地オーナーの立場が弱くなる、建物を借りてもらっている段階です。
 
このように3つの段階によって土地オーナーとテナントの力関係は変化するわけですが、「トータル ストア プラン」では、第1段階から第3段階まで、つまり賃貸借契約前から、賃貸借契約が終了する間、ずっと両者が同じ目線に立って、対等な力関係であることを理想としています。そのバランスを保つことが「トータル ストア プラン」だとも言えます。
 次に、「賃貸借契約期間終了後のプランニング」についてお話します。
 テナントとの賃貸借契約が期間満了で終了すると、土地オーナーは、次の事業を考えねばなりません。従来は、建築会社が建築費で利益を得たいがために、建て替えを提案していました。
 しかし、私たちのトータル ストア プランでは、まずは建物の再利用と、建て替えの比較・検討から行います。償却残のあるせっかく建てた建物なのですから、利用したいテナントはたくさんあるはずです。そして実際に少しリフォームするだけで、多くのテナントに建物を再利用していただいている例がたくさんあります。
 

 平成元年の頃をピークにロードサイド店舗が1年間に2,000件くらいのペースで建てられてきました。そして、その平成元年頃の店舗で一番多いのが15年契約ですが、それらの店舗がどんどん市場に出てきます。建築会社は建て替えを提案するでしょうが、それは大変な無駄です。まず、建物の再利用を検討し、それで無理なら始めて建て替えを検討するべきです。
 実際既存の建物を利用することをパターン化することに成功した業種が現れ、どんどん増えてきています。たとえば、インターネットカフェ、リサイクルショップ、100円ショップ、ラーメン屋、古本屋などがそうです。靴、服、メガネ、コンビニエンスストアなどの物販店舗を再利用したいテナントがこれからも益々出てくるはずです。ですから今の時代では、「賃貸借契約を含めてプランを立てる」、このことこそがトータル ストア プランといえるのではないかと考え、実践しています。

 土地活用は自己責任で行うものです。営業マンの言葉を鵜呑みにしたり、銀行や税理士に任せきりにしてしまうのではなく、自分で判断し、結果は自分のものとして受ける姿勢で挑んでいただきたいと思います。そして不動産賃貸業をスタートした後は、経営者としてテナントと共に歩む気持ちを決して忘れないでいただきたいのです。するとその時、本当にその土地は活かされてくるのではないでしょうか。


では次回は・・・

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
新たな土地活用は、あなたが創業社長になることなのです。】


についてお話しします。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2014年6月30日月曜日

ベトナム・校舎寄贈式


所属している池田ロータリークラブの国際奉仕活動である、ベトナム・ハノイ郊外の幼稚園に校舎の寄贈式に参加しました。
 

子どもも大人も大喜びで歓迎していただきました。


それでは、前回の続きをお話しします。
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【- トータル ストア プラン -】

 平成12年に設立したティー・エス・ピー(T.S.P)の社名は「Total Store Plan(トータル ストア プラン)」の頭文字をとったものです。

 「トータル ストア プラン」とは、ロードサイド店舗に特化した貸店舗事業の事業計画・賃貸借契約の締結・店舗のプランニング・店舗建築の発注・建物完成後の管理・オープン後の賃貸業経営のコンサルタント、そして賃貸借契約期間終了後の新しい店舗プランニングまでをトータルに提供するという、当社独自の、当時日本で初めての事業です。

 日本中に不動産関係の会社は数えきれないほど存在します。
 しかし、ロードサイド店舗を手がける企業は少ないばかりか、事業計画、賃貸借契約の締結、店舗のプランニング、店舗建築の発注、建物完成後の管理など ―― ここまでは他社も手がけることができますが、オープン後の賃貸業経営のコンサルタント、そして賃貸借契約期間終了後のプランニングまでを行っているのは、当社だけです。当社は土地オーナーやテナント側に立ち、真の土地活用を実現するコンサルティング事業であり、そういった視点を大切に考えているという意味でも、日本で唯一の会社であると自負しています。


 これまで建築会社は、建築した建物を引き渡せば業務を終了し、不動産仲介業者は、賃貸借契約を締結すれば終わるというものでした。中には不動産管理業という業種がありますが、これは、入居者の斡旋や賃料の回収を土地オーナーの代わりにするというものです。

 しかし私たちは、「土地」だけを見て、店舗を建てるか、マンションにするか、あるいは管理業のみ、などと決めるという一面的な発想からは脱しています。土地オーナーの立場になってみれば、建築も仲介も賃貸業も管理もすべてひとつの土地活用から発生するものであり、それらを別々の会社が担当していたり、途中で関係が切れてしまうことは不安材料を残すことになるのではないか、と思うからです。

 トータル ストア プランの中でも「オープン後の賃貸業経営のコンサルタント」と「賃貸借契約期間終了後のプランニング」は、従来他社ではまったく手をつけられておらず、また他社が実現するには建築が伴わないという意味で困難な業務であるため、土地オーナー、テナント双方に非常に喜ばれています。

 建築会社は、本来は設計図通りに決められた工期に従っていかに安く、高品質の建物を建てるか、ということが求められるものです。一方、不動産仲介業とは、土地オーナーの希望条件に合うテナントをいかに探せるか、あるいは逆にテナントの希望する条件に合う物件をいかに探せるか、ということが仕事です。

 土地オーナーが土地活用を始めるときは、建物が完成し家賃収入が入ったときであり、その時点では建築会社も不動産仲介業者も仕事が終わっていることになります。支払いも済んでいることでしょう。そんな中で、建築会社や不動産仲介業者にサポート業務としての行動は期待できません。せいぜい、アフターサービスというものに頼るくらいです。

 しかし、土地オーナーにとって、土地活用は始まったばかりです。長期にわたり不動産賃貸業という事業をやり抜かなければならないのです。そこではきっと、さまざまな「困ったこと」も出てくるに違いありません。専門的な知識が必要なこともあるでしょう。

 私は土地オーナーをサポートする必要性を感じました。土地の有効活用を提案する上で大切なことは、より良い建物を提案することではなく、むしろ建築後、不動産賃貸業を行う土地オーナーにいかに事業をうまく経営してもらうかをアドバイスすることだと思い、「賃貸業経営のコンサルタント」を始めたのです。 


 では、具体的に「不動産賃貸業という事業を行う」とは、どういうことでしょうか?

 よく不動産管理会社が「土地オーナーの煩わしい業務をすべて代行します。土地オーナーは、毎月預金通帳だけをご確認いただくだけで結構です」という謳い文句で営業を行っています。しかし私に言わせれば、代行してもらうことは、まさしく自己責任の放棄です。

 自分でやるのなら、店舗建物の定期点検をしたり、店舗前の道路を掃除しなければならないのでは?と考える方がいるかもしれません。しかし、その必要はありません。なぜなら、善良なる管理者としてテナントが管理業務を負っているからです。

 土地オーナーがしなければならないことは、消費者の立場で地域の人たちがその店をよく利用し、繁盛しているかどうか、を自分の目で確認し、このテナントが今後も繁盛して継続的に賃料を払ってくれるかどうかを判断することです。

 株式会社TENPO beでは、『TENPO beプレス』という情報誌を定期的(年4回)発行し、土地オーナーに送付していますが、その際には土地オーナーが土地を貸しているテナントに関する簡単なアンケートはがきを付けています。アンケートはがきに、何か気づいたことがあれば書いていただくことで、たとえ月のうちの一時間でもテナントのことを考える時間を持っていただきたいからです。この他、毎月テナントの売り上げも報告していますが、理由は同じくテナントの情報を知らせることで、もっと関心を向けていただきたいからです。
 店舗オープン後、通帳の家賃収入を確認することしかしない土地オーナーと、たとえ月1時間でもテナントを訪れたり、考えたりする土地オーナーとでは、年数が経ったときに大きな差が出ます。

 そして店をみていて、もしもこの店は最近売り上げが落ちていると感じたら、「次のテナントはどんな店がいいだろうか? なぜこの場所で、このテナントが繁盛しなかったのか? 賃料の設定は妥当だったのだろうか?」などについて考えてみることが大切です。

 「実際に店を経営しているわけではないので、意味がない」、「マンションは入居者が減ると収入も減るが、店舗の場合はその店が繁盛していなくても、収入は変わらないだろう」などと考えるのは間違いです。経営状況を知っていることで、定期的な賃貸借契約の更新や賃貸借条件の見直しの交渉にも役立つのです。今の時代、売り上げが下がれば賃料の減額対象になります。

 自分が貸している店舗が繁盛しているのを見て、テナントと共に喜び、売り上げが下がってくると一緒に悩む・・・・。下がった時には土地オーナー側から減額の提案をしたり、テナントも売り上げが順調なときには増額を提案する。このような貸し手と借り手の関係を築いていきたいものです。そして、これが、不動産賃貸業を経営する者の本来の姿だと私は考えています。

 ところが、このような貸し手と借り手の良好な関係は、放っておいて簡単にできるものではありません。少なくとも賃貸借契約書に定められている、2~3年に一度の協議は実施し、貸し手と借り手が顔を合わせ、意見交換や意思確認をすることで、信頼は深まっていきます。
 ところが、実際には定期的に協議が行われていることは稀なのです。協議の場は、不動産賃貸業を経営する土地オーナーにとっては檜舞台であると私は思いますが、たいていは、書類上で自動更新されてしまって話し合うことなどほとんどないのが実状です。


では次回は・・・

 【- トータル ストア プラン -
   お互いがより良い関係で話し合えるために 】

についてお話しします。

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土地活用のTENPObe

2014年5月30日金曜日

池田ロータリークラブ創立60周年記念式典


私が所属している池田ロータリークラブが、この度60周年を迎えました。

池田城趾で記念式典を開催しました。屋外での式典とあって、当日天気が心配でしたが、良い天気の中おこなうことができました。

これで、クラブの会長としての役目も終わり、ホッと一息です。



それでは、前回の続きをお話しします。
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【-想像から創造への街創り- 5つの行動指針】

 企業理念を掲げて数カ月が経った時、まだ入社経験の浅いある社員から「社長、では私はどのようにすればいいのですか」という質問がありました。一生懸命、企業理念と自分の考えを一致させようとしている彼からの素直な質問を聞いて、もっと具体的に(株)TENPO beの社員はこのように行動しよう、というものを示す必要があると感じました。
 そこで作成したのが以下の5つの行動指針です。

1、土地オーナー様の満足の追求
 TENPO beは、土地オーナー様の「安心」と「信頼」を約束します。土地活用の事業リスクゼロを目指して、我々は独自の借り入れのない事業を提案します。さらに、契約後も安心していただける「トータル ストア プラン」は、建物の管理や長期契約中のテナントとの交渉、さらにはテナント撤退後の次テナントのプランニングなど、建物のライフサイクル(※)を訴求します。
 また、建築営業と完全分離した土地活用コンサルティング方式により、土地オーナーの資産全体から考えて、最高の効果を生み出すプレゼンテーションをします。
 (※)TENPO beでは店舗の償却期間(重量鉄骨の場合だと34年間)を建物のライフサイクルと考えています。

2、テナント企業様の満足の追求
 TENPO beは、地域一番の繁盛店を創造することを宣誓します。従来の建築会社が、建築投資価格に対する投資利回りから賃料を算出するのに対し、TENPO beは当社独自の土地診断データベース(Pro・Fit database management system)と、市場分析ソフトによる収益還元方式からの賃料設定により、適切な経営計画を提案していきます。また、テナントには、出店計画をあらかじめ打合わせさせていただき、希望地域に合った物件をすばやくプレゼンテーションしていきます。さらに、オープン後に売り上げ予測と実績の乖離を調査し、適宜建物の改良などの提案を行い、さらなる繁盛店創りのお手伝いをします。

3、これからの時代の商業施設
「ライフ・スタイル・ショッピングセンター」の提案
 TENPO beは、店舗は常にエンターテインメント性を備えていなければならないと考えています。
 人に愛される店舗は、土地オーナーのものでも、テナントのものでもありません。その店舗を利用する生活者のために存在するのです。これからの土地活用は、企業の遊休地などますます大型化し、郊外単独店舖から複合商業施設へと変化していくと予想されます。
 TENPO beは不動産業の一方で一級建築士事務所でもあります。時代を先取りした「ライフ・スタイル・ショッピングセンター」を大胆に提案します。さらに、店舗建築におけるエキスパートの建築会社と提携し、安心の工程管理とアフターサービスをお約束します。

4、環境問題への貢献
 TENPO beは、環境問題に真摯に取り組みます。建物は、大きな資源のひとつです。TENPO beは「建物のライフサイクル」という考え方を、企画段階から取り入れています。
 賃貸借期間中はもちろんのこと、賃貸借契約終了後も、建物再活用について検討を加えます。せっかく土地オーナーが建築された建物を大切にすることが、環境問題に取り組む第1歩です。
 また、地域社会との調和を第一に「街創り」をするということは、騒音や臭気、周辺の交通対策にまで配慮することだと我々は考えています。

5、21世紀の不動産業・建築業
 TENPO beは、不動産業界・建築業界の新しい時代を創ります。不動産業者・建築業者は「営業」のノルマがきつく、営業数字のためなら何でもする「怖くて、嘘つき」、「昔の体質で、泥臭い」というイメージをもたれる場合がありました。そして情報に信憑性がなくなり「不動産情報の千三つ(1,000のうち3つしか真実がない)の世界」とまで言われています。
 私たちは、先端のIT技術を取り入れた「TENPO beシステム」を活用することによって、情報の鮮度と正確さにこだわっています。そして、「想像から創造への街創り」に参画することに、プライドを持ち続けています。

 企業理念や行動指針は、会社の憲法・法律のようなものです。当初は行動指針に縛られて自由に提案できないという社員もいましたが、今では行動指針と行動が一致してきています。逆に、社員の多くはこのような行動指針がある会社にプライドを持っているようです。


では次回は・・・

【 トータル ストア プラン 】

についてお話しします。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2014年5月9日金曜日

GWは鳥羽


ゴールデンウィークは、鳥羽~英虞湾方面に2泊3日のサイクリング。

天候にも恵まれ、太平洋を見下ろす雄大な展望を楽しんできました。

奈良県出身なんですが、久しぶりに近鉄特急は快適でした。


それでは、前回の続きをお話しします。
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【-想像から創造への街創り-
    企業理念は”想像から創造への街創り”】

私は会社設立後、3年目に私の考え方は社員全員に、そしてお客様や関係会社の方々にわかっていただくために企業理念を掲げました。それが「想像から創造への街創り」です。

この企業理念は、常に社員の行動の指針となるべきものであると私は考えています。ですから多くの会社は営業成績重視で社員を評価していますが、当社は「企業理念と自分の行動がどれだけ一致しているか」で社員が評価されるしくみになっています。
半年に一度、来期にはどれだけ企業理念に近づけられるかを宣言し、それに対して級職と給料が決まります。そしてその結果を半年毎に評価し、その評価を踏まえて、また半年間の宣言をするという具合です。これは、企業理念「想像から創造への街創り」を実現するための当社のオリジナルなシステムです。

ここで「想像」「創造」「街創り」について私の定義をのべたいと思います。

■想像
想像ができない者に、創造はできません。自由で豊かな発想をもって、ベストのプランを考えることです。この発想は、どんな制約も受けません。建築工事の都合にとらわれないで、さらには土地オーナーやテナントの都合さえも、一旦、頭の中から消し去り、その施設を利用する生活者の皆さんに、本当に喜んでいただけるプランを考えます。

■創造
想像を現実に創り出すための実行力。そのために、私たちは地域一番の生活情報の発信基地となります。また実行力を裏付けるための理論武装を日々積み重ねていきます。社員一人ひとりが、土地活用コンサルタントのプロフェッショナルとして圧倒的な情報収集力と、その情報に付加価値をつけるプレゼンテーション力を備えます。

■街創り
新しい店舗を創造するにあたって、その店舗が地域社会に調和していることが、大切なことのひとつです。創造した「店舗」が集まって「道」となり、その「道」が集まって「街」となると考えています。その地域の核となる「店舗」を「ライフ・スタイル・ショッピングセンター」と呼んでいます。人々に憩い・安らぎをあたえ、活力と笑顔を育む街創り、それが私たちの最終目標です。

では次回は・・・

【-想像から創造への街創り- 6つの行動指針】

についてお話しします。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2014年3月26日水曜日

五月山動物園入場ゲート


池田市立五月山動物園は、ウオンバットやアルパカなどの動物が人気です。

このたび、私が所属する池田ロータリークラブから、
入場ゲートを寄贈させていただきました。

 「世界一ハートを集める動物園」にちなんで、
ハートを25個ちりばめた入場ゲート。


今年、会長なので代表でテープカットをさせていただきました。


それでは、前回の続きをお話しします。
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【-想像から創造への街創り-
   「ティー・エス・ピー」を設立】

 以上のような考え方で、ティー・エス・ピーという会社を平成12年に設立しました。※(平成17年2月 株式会社 TENPO beに改称)
 さて、記念すべき第1号店は、大阪府内の外食店舗でした。当初土地オーナーは、建築会社から次のような提案を受けていました。
 「ある物販店舗がこの土地に出店を希望されています。そのテナントは、土地オーナーに4,000万円を預け入れます。賃料は月額120万円です。当社は無償で仲介しますので、7,000万円で特命で建築させてください。不足の3,000万円は銀行を紹介しますから、借り入れをしてください。」
 これに対し、ティー・エス・ピーの提案は、「ある外食店舗が出店希望をしています。 賃料は月額110万円です。店舗を建設するのに4,000万円かかりますが、これは外食店舗が無利子でお貸しするので、そのお金で建築できる建築会社をティー・エス・ピーが紹介します。その建築会社に発注してください。もちろん中途解約の場合は、テナントがお貸ししたお金は返さなくても結構です」というものでした。
 土地オーナーは2~3日検討していただいた後、「ティー・エス・ピーの提案を受け入れることに決めた」とお返事して下さいました。そして続けてこうおっしゃいました。
 「今までいろいろな建築会社から土地活用について多くの提案をもらったが、どれも借り入れをしてくれ、という話ばかり。万一のことを考えると心配で話にのれなかった。でもティー・エス・ピーの提案は、家賃収入は他社の提示よりも低かったけれど、初めて安心して事業に乗り出せると思ったんですよ。」
 この時、私は自分が考えていたこのビジネスプランは、思った通りお客さまに喜んでいただけるものだ、と確信しました。
 その後、地域の方々に喜ばれる繁盛店をめざし、借り入れ負担のない方法で土地オーナーにプロデュースする不動産コンサルティング方式は、非常に喜ばれ、会社設立後3年で98件の実績をあげました。

では次回は・・・

【-想像から創造への街創り-
  企業理念は“想像から創造への街創り】

についてお話しします。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2014年3月17日月曜日

居抜き店舗のre TENPO

 
 TENPO beでは、re TENPO(リテンポ)という
居抜き店舗・造作譲渡を専門に取り扱うブランドがあります。

 時々、新築店舗を専門に取り扱う建築会社や不動産業者から、
「居抜き店舗は儲からないでしょう?」という質問をされることがあります。

 逆に、地主さんに土地活用で新築店舗の提案の際、よく
「このテナントが出て行ったあとは、この店舗はどうなるの?」
と質問されます。

 当社がre TENPOを立ち上げるきっかけは、そのような地主さんの
心配に答えるためでもあり、少しでもコストを抑えて出店したいという
テナントの要望に応えるためです。

 というわけで、先日もファミリーレストランの居抜き店舗から、
郊外型焼き鳥店にリニューアルしました。建物オーナーにも、
テナント様にも大変喜んでいただきました。


 内装や厨房、テーブル、トイレも以前のテナントのものを利用しています。


それでは、前回の続きをお話しします。

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【-想像から創造への街創り-
       新しいしくみを創ろう】

 私は土地オーナーとテナントの両方を見てきて、今まで主流であっ
た「建築会社が物件の仲介をし、その見返りとして特命で建築の受注
をもらう」という方法自体に限界があるのだという考えを持つようになり
ました。そしてこれに替わる新しい仕組みを創り出さないと、日本のロ
ードサイド店舗は地域住民の憩いの場となるようなものではなく、まる
でパッチワークのような、不自然で調和のとれない街を創って行くこと
になると思いました。そして、次のような新しい方法を考えたのです。

 まず第一に、「店舗仲介と建築請負は、別のビジネスとして考えなけ
ればならない」と思いました。建築会社ではなく不動産業として店舗の
出店情報を基に不動産仲介ビジネスをすることによって建築費の管
理ができ、テナントが過去の実績に基づいて査定する、適正な金額
で店舗を建てることができます。
そしてテナントの査定する建築費の金額をテナントに預託してもら
えば、土地オーナーは金融機関などから借り入れをしなくてもよくな
ります。万が一途中撤退する場合には、土地オーナーとテナントが
あらかじめ、「その預託金は放棄する」というペナルティをつけた賃
貸借契約を締結できれば、土地オーナーはリスクのない「自己責任」
の負える土地活用ができると考えました。
 第二に、「繁盛する店を創ろう」と思いました。住民に喜ばれる、調
和のとれた街創りに貢献する事が必要だと考えていたからです。
建築・不動産会社は、「建築すればそれで仕事は終わり」という考
え方ですから、店舗がオープンした後はその店の売り上げなど気に
しません。私は、地域の人々から真に求められる店舗や商業施設を
創ろうと思いました。私たちの得意とするエリアマーケティングを徹底
的に行い、地域の情報発信基地になれるような「不動産コンサルティ
ング」をしよう、と考えました。

 河﨑圭亮氏は、日本で初めてロードサイド店舗ビジネスをシステム
化され、ロードサイド店舗の生みの親と言われている方ですが、彼は
その著書の中で、大変当を得た指摘をされています。

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  『自分の土地ならどうするか、この活用の方法で充分まんぞく出来
  るか、自分の胸に言い聞かせてみて下さい。
  自由で豊かな発想は想像力を付けます。「土地活用」、地域創り、
  街創りは、相手(土地オーナー様、テナント様)の都合を余り考えな
  いでベストを想像する事です。それが最後に本当の土地オーナー
  であるお客様に一番喜んで頂けるという結果を残します。
  それが「想像から創造へ!」物事を思い浮かべ、ベスト、ワ―スト
  の絵を描き、実際の造り出す創造へ推移する力を付けることだと思
  います。
  土地オーナーの都合ばかりを考え、顔色を見ていてはよい発想
  は浮かびません。自分の為に、会社の為に土地物件さがしをしよう、
  また商いをしたいという考え方から脱皮してその地域の街創りはどう
  すればよいか、どんな街創りがその施設を利用して下さるお客様が
  喜んでくれるのか、その施設の良し悪しを決定するのは、その施設を
  利用し、楽しんでくれるお客様が決める事なのです。』
~河﨑圭亮著『Pro・Fit・System(プロ・フィット・システム)』より抜粋~
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 第三に、土地オーナーはテナントに店舗を貸すことで、不動産賃貸
業を営むことになりますが、私はその土地オーナーの経営に関するコ
ンサルタントをしよう、と思いました。
 賃貸マンションの大家さんは、家賃の回収、ゴミの分類や共用部分
の清掃、さらには家賃未納者の取り立てなど直接的な仕事があるの
で、自分が不動産賃貸業を営んでいるという実感があります。
ところが、ロードサイド店舗の場合は、家賃は決められた日に確実
に振り込まれますし、建物の清掃や管理もすべてテナントがやってく
れます。確かに楽なのですが、自分が不動産賃貸業を経営している
という感覚を失ってしまっている土地オーナーもいるのです。
経営者ならば、自分が貸している店の良い評判を聞けば一緒に喜
んだり、時々店に顔を出し、客の立場で「こんなふうにすればもっと
お客さんに喜ばれるのでは?」と店長にアドバイスしたりするべきで
はないでしょうか。
 また、テナントが焼肉店で、狂牛病問題がおこったとしましょう。
そんなときにテナントから賃料の減額の申し入れがあれば一緒に
悩んで、解決策を提示してあげる。時には土地オーナーから賃料
の減額を提案したり、業績が回復したときにはテナントに新たな賃
料条件を申し入れる。そんな不動産賃貸業を経営する土地オーナ
ーになっていただくためのコンサルタントをしていこうと思いました。
ですから店舗がオープンしてからこそが、コンサルタントの地ごとの
始まりです。
 私たちは土地オーナーの目となり耳となり、その店舗の経営状況
などの情報を土地オーナーに提供し、土地オーナーは繁盛店創り
に協力していただきたいと思っています。

では次回は・・・

【-想像から創造への街創り-
   「ティー・エス・ピー」を設立】

についてお話しします。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2014年2月28日金曜日

資産の組み替え


 最近、「資産の組み替え」による不動産売買が活発になってきています。
収益性の悪い中古マンションなどを売却して、収益性の良い店舗などに
買い換えるというものです。

 しかし、私はこのような流れに疑問をもっています。
「収益性の悪い物件を売ることができるのだろうか?
また、収益性の良い物件を買うことができるのだろうか?」

 不動産売買ほど、需要と供給による価格曲線が明確な取引は
ありません。そのような状態で、都合の悪い物件を売却し、都合の
良い物件を購入するには・・・。

 ようやく答えが見つかりそうです。あと数件、具体的事例で検証したあと、
みなさんに発表したいと思います。ご期待ください。

それでは、前回の続きをお話しします。
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【-想像から創造への街創り-
  建築会社勤務から感じた、理不尽なしくみ】

 建築会社に勤務していたとき、私は主としてロードサイド店舗の営業
を担当していました。そして自分で言うのも何ですが、営業成績はなか
なか優秀で、社内ではトップクラスでした。トップになるには、ノルマを
クリアしなければなりません。当時は毎月のノルマを達成しようと、土地
オーナーにとってベストのプランではない、と自覚しながらも多額の借
り入れをしてもらい、店舗を建築していただいていました。しかしロード
サイド店舗の場合は、賃貸マンションなどに比べて建築費は安く、テナ
ントから建設協力金を預託してもらえるので借入金も少なく、しかも安
定した家賃が入ってきます。ですからリスクはあっても土地オーナーか
らは喜んでいただいていました。
 ところが時代はバブルの崩壊を迎え、その影響もあって、私が担当
したロードサイド店舗のテナントが途中撤退してしまうケースが頻繁に
みられるようになりました。土地オーナーには銀行からの借金だけが
残るという事態が生じるようになったのです。上司からは、「建物を解
体して、新しい物件を建ててもらうよう、説得するように」と指示が出さ
れました。しかしそれでは収入の道は閉ざされ、ローンだけが残って
困っている土地オーナーに、また借金を重ねさせてしまうことになります。
 そこで私は会社には内緒で、新しいテナントにその建物を解体する
のではなく再利用してもらうことを提案しました。もちろん無償でサービ
スをしたのですが、土地オーナーは新たな投資をしないでまた家賃
がはいってくるので、大変喜んでくれました。また途中解約の場合、テ
ナントからの建設協力金は土地オーナーが違約金(ペナルティー)と
して没収できると賃貸借契約書で決まっていたので、大きな問題には
なりませんでした。
 建築会社の利益を優先する考え方は、テナントを決める際も同じで
した。土地利用の依頼をいただき、テナントに出店意思の確認をする
ときには、その土地情報を一斉に数十社のテナントにファックスをしま
す。そして数社から出店の意向をもらうと「建築費で一番利益を上げ
られるテナント」を選んで土地オーナーに提案するのです。
 あらかじめ数社の中から土地オーナーに提案するテナントを決めて
いても、「土地オーナーに提案をするテナントはもう決まっています」
とは絶対に言いません。理由は二つあります。テナントに断わりを入れ
ると、土地オーナーのところに直接または他の業者と一緒に提案に行
く可能性があり、それでは競争相手をつくってしまうことになるからです。
もう一つの理由は、賃料を数社のテナントで競わせて、少しでも高い
建築費で土地オーナーに発注させたいからです。
 これまでに述べた「建築投資利回りの計算式」を思い出して下さい。
建築投資利回り=年間賃料÷建築費です。建築投資利回りを一定と
するなら賃料が多くなる程建築費が高くなります。建築費は建物図
面とその仕様(グレード)で決まるのが当然と考えるでしょうが、そういっ
た常識とは異なる独自の方法で建築費がはじき出されています。
 最終的に建築会社がテナントに対して「地主の判断で断られました」
と断った場合でも、実はその建築会社に門前払いされていることが少
なくありません。テナントからすればせっかく土地情報に対して市場調
査を行い、出店会議で決済をとっても、土地オーナーには提案さえさ
れず放っておかれることになります。また、建築会社は別のライバル
会社に「A社は100万円賃料を出してきていますが、110万円の賃料
を出してもらえるのなら、A社の替わりに御社を提案しますよ」と話を持
ちかけ賃料を競り合わせます。もちろんライバル会社の建築費はA社
を上回るものです。こうして跳ね上がった建築費は、土地オーナーの
借り入れを余議なくさせ、テナントには無理を強いる結果になります。
借り入れも高い賃料も、結局は建築会社の利益へと化けてしまうのです。
 どのような業種の店をオープンさせれば地域の人に喜んでもらえる
のだろう、などという街創りの考えもなく、ただ高い建築費のみを追求
するこのしくみは、ロードサイド店舗立地の異常な地価高騰を招きま
す。その高い賃料負担に耐えられないで中途撤退するテナント店の
多さの一因となってしまいました。

では次回は・・・

【-想像から創造への街創り-
       新しいしくみを創ろう】

についてお話しします。

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土地活用のTENPObe
 

2014年2月3日月曜日

季節の変わり目

「今日、季節が変わった」と気付く瞬間がありませんか?

私は、この瞬間が大好きです。

その瞬間は、大抵の場合、サイクリングをしている時ですが・・・



先日、淡路島でサイクリングをした時、
まさに “春”の到来を実感しました。



それでは、前回の続きをお話しします。

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【Point.7 繁盛する店を創る】

 さて、土地活用に成功する7番目のポイントは、繁盛店を創ることです。
繁盛店とは、前述したようにその街に住む生活者の皆さんに愛され、必要とされる店です。
 この店ができて、ちょっと楽しみが増えた、便利になった、など小さな喜びや楽しさを提供することのできる店です。繁盛店を創ることで得られるメリットは、そのような社会貢献ばかりか、テナントの撤退のリスクの軽減や長期間の安定した賃料収入があげられます。テナントの売り上げが伸びたときには、賃料値上げの可能性もあるでしょう。
 「賃料の高いテナントと契約しよう」という視点では、繁盛店は創れません。その街の住民である土地オーナーが、「不足している店はないだろうか? 楽しみになるような店は?」と考えながら、あるいは家族などにも聞きながら検討してみなければ創れないのです。
 以上の7つのポイントをクリアしたとき、自己責任型の建築投資利回り48.3%の土地活用が実現します。つまり、「借り入れのない方法で、繁盛するロードサイド店舗を創る」ことが、最も確実な方法です。
 実はこれが私が考案し、土地オーナーに提案して喜ばれている事業です。次回より、詳しくお話ししていきましょう。

次回につづく・・・

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2014年1月17日金曜日

福知山~篠山にサイクリング


お正月も終わり、ようやく仕事にもエンジンがかかってきました。

さすがに、冬季は自転車に乗る機会は少なくなりますが

先週の週末は、福知山から篠山までサイクリングをしました。


30年前と比べて、冬のウエアは本当に暖かくなりました。
ヒートテック、フリース、ダウン・・・
(何か、ユニクロの宣伝をしているみたいですが)

それでは、前回の続きをお話しします。
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【Point.7 賃貸借契約期間以上のキャッシュフローはあてにするな】

 成功する6番目のポイントは、賃貸借契約期間以上のキャッシュフローは、あてにしないことです。契約期間が2年なら2年のみ、5年なら5年のみのキャッシュフローだけを考えることです。特に借り入れをする場合には、契約期間が2年で、5年のローンを組むならまだ良いのですが、10年も20年もローンを組むような危険なことは絶対にやめて下さい。つまり、賃貸借契約期間とローンの借入期間は同じか、出来ることならローンの返済期間の方を短くしたいものです。
 バブルの頃はそういったことは考えなくても、途中撤退するテナントも少なかった上、撤退しても、すぐ次にテナントが入ってきました。長期ローンがあっても、リスクとは感じなかったはずです。
 しかし、もう時代が違うのです。リスクのあるものは、ひとつずつ回避すること。書類上の夢のような利益よりも、現実的な利益に目を向けることが成功する道です。
 長期ローンを組むときは、契約期間が長期であるテナントを選択するのです。「そんな10年以上の契約なんて聞いたことがない」とおっしゃる方も多いかもしれませんが、私が成約させたロードサイド店舗は、すべて15年以上の契約期間です。

 「ロードサイド店舗」は前章でもふれましたが、日本ではまだ歴史の浅い業態ですから、聞き慣れないことでしょう。ここで少し「ロードサイド店舗」について説明をしたいと思います。
 日本で初めてロードサイド店舗がオープンしたのは、1970年(昭和45年)7月のことです。東京都の郊外、府中市で「すかいらーく国立店」がオープンしました。これを契機に次々とロードサイド店舗が建てられ、急速にマーケットは拡大していきます。さらに、日本列島改造論ブームで、都市部の住宅地の郊外化が進み、それは20年後のバブルの崩壊まで拡大を続け、人々のライフスタイルをいやおうなしに変えていきました。
 それまでは、毎日の買い物といえば、主に専業主婦が近所の肉屋・魚屋・八百屋といった鉄道駅を中心にした商店街を利用し、たまの日曜日などには家族か母娘で都心のデパートへ出かけるというまさに「サザエさん」的な暮らしが中心でした。
 「すかいらーく国立店」がオープンした年を起点として、自家用自動車を持つ人々が大幅に増え、女性ドライバーも増えていきました。これはいわゆるマイカーブームと呼ばれるものですが、この頃から朝晩妻が駅に夫を車で送迎する姿が目につくようになってきました。夫を駅まで送った後、子どもたちを幼稚園などに送り、急いで帰って洗濯・掃除、また子どもを迎えに行ってそのまま買い物に・・・・。このように、主婦の生活から車が手放せなくなったのです。すると、自然と買い物は車で行けるところ、というのが常識になり、商店には駐車場が必要不可欠となりました。さらには働く女性も増え、週末にはまとめ買いをし、そのまま駐車場付きのレストランで夕食をとるといった風景も当たり前になっていきました。
 ロードサイド店舗(郊外型駐車場付き店舗)は、こうした住宅の郊外化とモータリゼーションの発達に後押しされる形で自然発生的に増え続け、1号店を開店したファミリーレストランでは10年間で300号店を出店するまでになりました。また、1974年に紳士服業界で初めてのロードサイド店舗を出店した「洋服の青山」は、それまでデパートか専門店で買うのが当たり前だった紳士服のマーケットを一挙に郊外型店舗の市場へと塗り替えてしまいました。
 一方、駅前の商店街は、このような大きな変化に気づかず、大型スーパーの出店を牽制するばかりだったのではないでしょうか。そして現在、お客さんが減って衰退しているところが多くなってしまったのだと思います。また、当時の大規模な郊外型住宅地(ニュータウン)の開発の際、商店も共につくられたのですが、少し配慮が足りなかったのでは、と思います。初めから一業種一店舗のような配給感覚で決められていたため、競争意識も薄く、後にロードサイド店に顧客が流れて行ってしまう原因にもなってしまいました。
 高度成長期と共に、自宅から車で10分程度の距離の範囲内にあるロードサイド店舗は増えつづけ、女性ドライバーに配慮した駐車場の出入りや、豪華ではないけれども清潔感のある店づくり、来店目的がはっきりとする品揃えを強みとして発展を続けました。バブル崩壊後の経済環境においては、低価格戦略や個性化戦略をいち早く取り入れ、業態そのものもカジュアル衣料から100円ショップ、古本店と時代に即した業態にすばやく変化していきました。
 たとえば、1970年代~1980年代に大きく発展したファミリーレストランは、当初はステーキやハンバーグといった、当時の家庭料理では珍しかった料理を提供していましたが、1985年に郊外型和食1号店を出したサトレストランシステムズ株式会社や、1984年に1号店を出店した回転寿司の「くら寿司」など和食系が後に続き、1990年以降は低価格や健康に配慮した店舗が出店を始めました。さらに2003年あたりから、同じ回転寿司でも一皿100円から700円までと高級化・個性化を追求した店づくりが盛んになっています。
 このように、業種・業態を時代に合わせて変化させることができる不動産は他に例を見ないので、ロードサイド店舗不動産のマーケットが常に活発に動いているのも当然ともいえます。しかし、「地域一番の繁盛店」を見るたびに思うのは、その地域で一番求められている店舗は、それほど簡単には業態は変わらない、というのが実感です。逆にいえば、その店舗は街の人々にとって最も必要とされる業態である、ともいえるでしょう。



 次回につづく・・・


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