2016年7月19日火曜日

美山サイクリングとインバウンド消費


 海の日。ようやく梅雨も明けたので美山にサイクリング。
美山はかやぶき屋根で有名ですが、観光地とすれば場所も不便でマイナーです。

ところがアジア(たぶん中国や台湾)の観光客が100名くらい来られてました。
京都市内ならともかく、「こんなところにまで」という感じです。

私は、一過性のものととらえていたインバウンド消費ですが、
少なくとも観光地では、そんなレベルではないようです。





 
 
  
 
それでは、前回の続きをお話します。

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

●外商部かディスカウントストアか? バブル期の選択

  バブル景気のまっただ中に、現在の長引く不況を誰が予想できたでしょう。
  当時、会社員だった私は、毎週末、ある分譲マンションの抽選会に足を運んでいました。大手建築会社勤務とはいえ、20代後半でしたから、法外な給与をもらっていたわけではありません。それが、今、考えると、「当時の私は、いったい本当にそれが返済できると思っていたのだろうか」、とふしぎに思える資金計画のマンションを購入しようとしていたのです。毎月返済に加えボーナス払いもたっぷり。しかも「ゆとり返済」や「ステップ償還」と言われる年齢とともに返済額が大きくなるプランです。幸か不幸か、抽選には当たらず、その憧れの分譲マンションを買うチャンスはありませんでした。
  最近では、分譲マンションの価格そのものが下がり、住宅ローンの返済にボーナスをあてるのは非現実と、毎月払いだけでシミュレーションを組む方が多いようです。「ゆとり返済」の住宅金融公庫は、今では長期固定金利の「ステップ35」を発売しています。
  このように、ほんの10年、15年の違いで、不動産の価値が大きく変わった時代に私たちは生きています。
  好況の時代に、地主さんに「どんなテナントさんが、ご希望ですか」とおたずねすると、たいていは一部上場の良く名前の知れた会社を望まれました。なかでも当時は、百貨店の外商部の出先が郊外の各所に作られ、地主さんが自分の土地に来て欲しい人気のテナントのひとつとなっていました。
  豪華でしゃれた建物には、洗練された商品が並び、高級国産車や外車で奥様がお買い物。確かに、そんな風景が特別ではなかった時代がありました。
  結果は、ご存知のようにすべて撤退。なにしろ、最近では1等地の本店を閉める百貨店があるほどなのですから。
  一方、当時、地主さんが見向きもしなかったのがディスカウント・ストアです。まるで倉庫のような建物。素っ気ないスチールの商品棚に、段ボールを開けて陳列しただけの展示。たとえ全国チェーンで展開している優良企業でも、浮かれた気分のバブルの時代には、なんとなく、しっくりこなかったようで、喜ばれはしませんでした。
  百貨店の外商部とディスカウントストアをくらべると、建築費は確実に百貨店の方が多くかかります。中途で撤退した場合の建築協力金の放棄などペナルティを課していない場合や、協力金の他に地主さんが銀行から借金をして建築費にあてていた場合は、店舗が出て行ったあと地主さんに残るのは、ゴージャスな内装がネックとなり他の業種に使いにくい建物と、高くついた建築費の借金でした。
  ディスカウントストアを選ばれた地主さんは、テナントさんが中途で解約はされませんでしたが、仮に中途撤退したとしても、倉庫のような建物なので建築費は百貨店の外商部とくらべれば安いものです。たとえ傷ついたとしても浅かった、と言えましょう。
  だから、ディカウント・ストアはいいですよ、とおすすめしたいわけではありません。
  百貨店の外商部と賃貸契約をする時にまでさかのぼったとします。果たして、この撤退を、地主さんは、予測できたでしょうか。私も含め仲介業者は予測できたでしょうか。
  答はノーです。
  また、これからの10年を、20年先を、誰が正確に予測できるでしょう。
  やはり、答はノーです。
  肝心なのは、たとえどんな時代になったとしても、乗り越えられる最悪を考え対策をとることです。もっと端的に言えば、10年、20年先のお金の動きを契約書で把握することです。どんな商売でも、どんな時代でも、たとえ中途撤退に耐えられる状況を守ることが肝心です。
  
 3つの原則(2)責任を分け合う、は自己防衛手段です。
  百貨店の外商部と契約した地主さんは、時代の気分もあり、中途撤退時の建設協力金の放棄を条件として確保できなかったのが、敗因です。元々高い建築費、転用しにくい特殊な建物、これもアダになりました。
  今は流行の業種でも将来しぼむこともあります。同じ商圏にライバル店が出店することもあるでしょう。時代の風潮や景気だけでなく、複雑な要素が、出店したテナントの経営を左右します。
  店舗の場合は、マーケティングは店舗側の専門家が行ない、勝算ありと考えるから出店するのです。それでも、確実な未来は誰にもわかりません。地主さんができることは、数字の流れを掴み、最悪の状況乗り切れる確信をもてる条件で契約することとなります。

…さて、次回は

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

●大家の思慮のなさで自滅! 食い合いをした飲食店

について、お話します。

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