2007年9月28日金曜日

誰も話さない「建築業界・不動産業界」のしくみ






もう10月になり朝・夕は涼しくなりましたね。
さて、今回は写真を載せておりますが、これは今年6月に富士ヒルクライムレースに参加した時のものです。
私の趣味はロードレーサーとマウンテンバイクで、こういった大会があれば、時々参加しています。





それでは、前回の続きからお話いたします…



【誰も話さない「建築業界・不動産業界」のしくみ】



大学を卒業後、私はある大手建築会社に入社し、営業マンとして12年間働きました。
私は自分なりの考えがあって起業するために退職しました。それは12年間勤め、建築業界・不動産業界の表も裏も知り、問題意識を持ったからでした。
 他の業界とは異なり、この業界は古い体質の上、不透明で不思議な世界です。
動くお金は大きく、時には簡単に億というお金が動いたり、消えていったりします。今振り返ると、慣れるということは恐ろしいもので、お金に対する市民的な常識はなくなり、そしてそれが人間的な感覚を麻痺させてしまうことにも、いつのまにか気づけなくなっていたように思います。
 こんな業界ですから、常識ではおかしいと思うことでも大きなノルマを課され、動き回り、利益とノルマ達成の為なら手段を選ばない営業マンたちには、まるで通じないかもしれません。
 少々酷な言い方ですが、「この土地の最も有効な活用法は何だろう?」と土地オーナーのために親身になって考えてくれる建築会社や不動産会社の営業マンが、少数派であることは間違いありません。ほとんどの営業マンは、早く契約にこぎつけ、いかに大きく自社の利益を出すかということだけを考えているのです。
 そしてまた、自分の提案を受け入れてくれた土地オーナーが失敗しようと、借金を返せず悩み苦しもうと、彼らの良心は傷みません。「それは自己責任です。印を押したのは土地オーナー自身でしょう。私は会社のために一生懸命働いただけなのに、何が悪いんですか?」と彼らは言うでしょう。
 実際、私が担当した土地オーナーの中にも土地活用に失敗し、大きな借金を作ってしまい、頭を抱えておられたケースがいくつかありました。どなられたことも一度や二度ではありません。「最終的に決断したのは土地オーナーではないか、私はただ提案しただけだ!」・・・そう考えていた私でした。今、振り替えれば何と非人間的だったのかと思います。しかし、非人間的にさせてしまう何かが、この業界にはあるのです。
 この業界はどのようなしくみになっているのか、誰も話さない真実を私は書こうと思います。当時苦しませてしまった土地オーナーのような方を二度と出さないために、そして一人でも多くの方が土地活用を成功させ、笑顔で過ごすことができるような、道しるべとなるために。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2007年8月3日金曜日

生産力地のケース  ~いい場所は生産緑地にするな! ~



すっかり梅雨も明けて夏到来です!毎日暑いですね。
弊社ももうすぐお盆休みに入りますが、皆様お盆休みのご予定はございますか?
ONとOFFの切り替えが大切!私は、趣味のサイクリングやゴルフ、久しい仲間との集まりなど朝から晩まで予定がぎっしり・・・平日以上に(?)ハードな休日になりそうです。

……
それでは早速、前回の続き「生産緑地のケース」についてお話したいと思います。



●生産力地のケース  ~いい場所は生産緑地にするな! ~

「生産緑地」とは、都市計画法に基づく生産緑地法に定められた市街化調整区域内の農地のことです。
30年以上の営農継続が条件で、希望者は申請をします。
「保全すべき農地」として認められると、固定資産税や相続税が安くなる特典があります。
 まわりはマンションが建っているのに、ぽつんと田んぼがあって、お米などを作っている光景を見たことはありませんか?「あそこだけなぜ田んぼなんだろう?」と不思議に思ったことはないでしょうか?
その多くが「生産緑地」です。マンションを建てたいと思っても、30年間は農業をする土地であり続けなければならないのです。「生産緑地」であっても、農業をするのに適切な土地であれば問題はあまりないでしょう。
 しかし、税金が安くなるからと、目先の事しか考えず、早々と生産緑地にして、後悔している土地オーナーがいます。生かせる土地を生産緑地にしてしまったために、土地を活用することが出来なくなっているのです。一旦生産力地の届出をすると、30年間はずっとそのままでおいておかなければなりません。
もし、相続税の納税猶予を受けていて、変更したいと思えば、相続時にさかのぼって相続税とその間の利子税を納めなければなりません。
 生かせる土地、たとえば道路沿いの広い土地などは固定資産税が非常に高い。高いから、生産緑地にして、税金を安くしたい……。逆に、不便な場所にある小さな土地は固定資産税が安いから、生産緑地にしてもメリットが少ない。とりあえず、大きい土地を生産緑地にしておこう。小さい土地は、賃貸マンションでも建てるか、駐車場にするかな?そんな風に考えて、生かせる大きな土地を「生産力地」にし、生きない小さな土地を活用しようと考えた土地オーナーが多くいました。
 このような場合、小さい方の土地を生産緑地にし、道路沿いの大きい土地は、ロードサイド店舗などで十分生かすべきです。収益が上がる土地は、固定資産税も高い。それだけ価値があるからです。くれぐれも目先の節税対策や、安易な考えだけで、土地活用を考えるのは避けていただきたいと思います。

 何度も言いますが、土地活用は、会社経営と同じです。「とりあえず」という気持ちでやるなら、やらない方がマシです。情報を集め、真剣にどうすべきかを考えた上で、自己責任で判断してほしいのです。


次回は・・・

【誰も話さない「建築業界・不動産業界」のしくみ】

についてお話したいと思います。


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2007年7月6日金曜日

駐車場のケース

梅雨の時期で雨が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
先日、「社長のための応援マガジンBUSINESS SUPPORT 7月号」に
私の記事が 掲載されました。興味を持たれた方は手にとっていただければ幸いです。

……
それでは早速、前回の続き「駐車場のケース」についてお話したいと思います。


●駐車場のケース
そこは、そんなに駐車場がいる場所ですか?

高度経済成長とバブル期を経て、日本の田園風景はぐっと少なくなりました。
街の中でもれんげや菜の花が咲いていた土地は、建物が建っていなければ必ず駐車場に様変わりしているはずです。
 これは、無計画な市町村の「駐車場新設等補助金交付制度」がもたらした弊害です。
この制度では、駐車場にすると補助金が出るのです。土地をただ置いておくだけなら、駐車場にして補助金と利益を得た方がいい……。そう考えて多くの人が、次々と駐車場にしました。
 今や駐車場をたくさん見かけるようになりました。駅やバス停にも遠く、のどかな田舎町で、そばには中規模のスーパーくらいしかないような場所にも大きな駐車場があって、必ずスペースはいくつか空いています。あるいは、小さな街なのに駐車場ばかりいくつも並んでいるようなところもあります。「こんなところに誰が駐車するの?」と首をかしげたくなるような場所に駐車場を作る人もいます。その駐車場はいつ見ても、多くて半分くらいしか車がとまっていません。

 そこは、こんなに駐車場が必要な場所なのでしょうか?そばに駐車場がたくさんあるケースでは、他よりも料金を下げなければ借り手は見つかりません。これではまるで値下げ合戦です。土地の固定資産税だけは年々増加しているのに……。
 たとえ駐車場でも、土地活用は簡単に考えて成功するものではありません。「畑にしておくくらいなら駐車場でも」という安易な考え方では、十分な収益を上げることはできません。たしかに、賃貸マンション経営など多額の資金(借金)なしにはできないものに比べれば、失敗も少ないといえるでしょう。
 ただし、もしも「駐車場をやめて賃貸マンションにしませんか」などと営業マンに勧められたら、その時は大きなリスクを背負うことになるのだと自覚して判断しなければなりません。

次回は、生産緑地のケースについてお話したいと思います・・・

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2007年6月23日土曜日

ロードサイド店舗のケース



先日、43歳の誕生日を迎えました。会議終わりに社員がサプライズでささやかな誕生日パーティーを開いてくれました。誕生日を祝ってもらうのは、いくつになってもうれしいものですね。


それでは早速、前回の続き「ロードサイド店舗のケース」についてお話したいと思います。


●ロードサイド店舗のケース
高い建築費がこわい

 ロードサイド店舗とは、ジャスコやセブンイレブン、マクドナルド、すかいらーく、紳士服の青山、大型家電など道路に沿った土地に建っている駐車場付き店舗のことです。
 多くの女性が車を運転するようになり、ファーストフード店や大型スーパーなど、ロードサイドの店舗は今や増える一方です。映画館と併設した大型のロードサイド店舗には、土曜・日曜には家族連れがどっと集まり、平日でさえも主婦や学生がショッピングに、映画鑑賞にとやってきます。
 モノを見る目を持ち、結婚していてもぬかみそ臭くはなりたくない、そんなふうに考える若い女性たちは、生活感あふれる駅前の商店街よりも、必要なものが全部そろうスーパーで買い物するのが普通です。また、映画、音楽、本と文化的なものに惹かれ、ファッションやインテリアにもこだわります。ファッション性のない店には、彼女たちの足はあまり向きません。
 また家族や友人と外食をする機会も多くなりました。そんな時は近所の店ではなく、郊外のカジュアルレストランや和風レストラン、あるいは大型店の中にあるレストランに行く人もいるかもしれません。
 このような時代の流れを考えた時、ロードサイドに土地があるなら、テナントと契約するのはベストな道だと考える方も多いのではないでしょうか? 賃貸マンションと異なり、テナントはあらかじめ決まっているし、建築費もマンションよりはるかに安いのでリスクも小さいから安心・・・・・・?
 いいえ、ここにも大きな落とし穴があります。何も知らないでいると、無理な借金を背負ってしまう可能性が潜んでいるのです。
 ロードサイド店舗の場合、確かにあらかじめテナントは決まっています。けれど、土地オーナーは単に土地を貸すのではありません。テナントが望む店を建てなければならないのです。多くのテナントはチェーン店で、坪数も店の図面も決まったものがあります。そして、建築費用に充当する「建設協力金」を出してくれます。じゃあ安心だ、問題ない、と思いますか? いいえ、まったくそうではありません。
 その一例をあげると、建築会社から紹介されたテナントと20年の契約をした土地オーナーがいました。テナントを紹介してくれる条件に、建築は特命(※注1)で発注することになりました。こうなると、建築費用は建築会社の意のままになります。テナントは、店舗の建築費用に充当する「建設協力金」を出しますが、建築会社は、それ以上の建築費を要求。その結果、土地オーナーは銀行で3,000万円のローンを組むことになりました。
 この3,000万円は、当然テナント賃料のアップにもつながります。お店の経営にはゆとりがなくなり、とうとう7年目で撤退せざるをえなくなりました。「建設協力金」はテナントが放棄するという特約のため、返さなくてよいものの、土地オーナーには多額のローンと他のテナントでは利用出来ない建物だけが残ってしまいました。
 一体この先、多額の借金をどうやって返せばよいのでしょう? 建築会社に相談すると、「建物を解体して、別の店舗を探しましょう」。そして、くり返される特命発注→高額な建築費→建築費のための新たなローン。利益を上げるのは建築会社ばかり。競争見積もりのない「特命発注」という日本独特の不透明なしくみが、何人もの土地オーナーを苦しめています。

(※注1)特命発注工事とは、
本来は『他社との競争見積りを行わずに、特定の信頼関係のある工事会社に、予算内に納まれば注文します。』という意味ですが・・・?

特命になる理由:有力者や銀行、農協からの紹介。
        その会社や系列の会社が入居保証や一括借上げをする。
        テナントを見つけてきた。
        立退き交渉に協力した。

特命になると:有力者や銀行、農協への謝礼を工事費に
        入居保証や一括借上げの将来のリスクを工事費に
        テナント付けをした優先権を工事費に
        立退き交渉に要した手間とコストを工事費に
             ↓
            上乗せ

この他に、工事費の上限を決められた指値発注や、義理で赤字覚悟で受注する工事も『特命』と呼ばれています。

次回は、ロードサイド駐車場のケースについてお話したいと思います・・・


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2007年5月29日火曜日

店舗付きマンションのケース

一ヶ月ぶりの更新です。
弊社も下期に入り、ますます忙しくなってきましたが、
今後ブログの更新も定期的に行っていきます。

それでは早速、前回の続き「店舗付きマンションの落とし穴」について
お話したいと思います…

店舗付きマンションのケース 『最もリスクの大きい土地活用』

 「店舗付きマンション」とは、賃貸マンションの1Fが店舗となっている賃貸マンションのことです。はっきり言いましょう。よほど大きな駅のそばか、
あらかじめテナントが決まっていない限り、失敗する可能性が最も高い土地活用です。
 なぜか。それは、店舗をつくる会社ではなく、マンションをつくる会社が建物を設計するからです。お店を1軒つくるには、その店が最も繁盛するような場所に、最も業種に合った店舗設計を考えなければなりません。駐車場も必要でしょう。それなのに、建築会社は店舗のスペースを設けるものの、その店舗スペースにどのような業種のテナントが入るのか? また、テナントの売上げ予測はどの程度なのか? という検討はなされていません。
そんな店舗をデザインして、果たしてテナントが入るかどうか、少し考えれば専門家でなくてもわかるのではないでしょうか。結局、その店舗スペースは空いたままで年中シャッターが閉まっていることになるかもしれません。シャッターが閉まったままだと、マンション全体のイメージまで悪くなってしまう気がします。
 まずはあなたの土地にお店をつくることを考えてみてください。「こんな店なら流行るに違いない」と思うようなものはありますか?考えるのはかなり難しいことがわかるでしょう。
 ところがこの店舗付きマンション、非常に多いのです。そしてたいていは店舗の半分はシャッターが閉まっていて「貸店舗募集中」。私はその光景を見る度に「あ~あ、営業マンの言いなりになってしまったのだなあ。ひとこと私に相談してくれたらなあ」と思うのです。
 営業マンは賃貸マンションを勧めて、土地オーナーがまだ首を縦にふらないとき、「店舗付きマンションはいかがでしょう」と切り出すことが多いものです。それは、店舗スペースを加えることにより、賃料収入が増えるような錯覚を与えられるからです。 そして土地オーナーは最善の土地活用のような気になって、請負契約書に印を押してしまうのです。
 10年経っても竣工以来、一度もシャッターが開かず、広い店舗スペースはずっと収入ゼロ。これは稀な例ではありません。土地オーナーの中には借金を返せず、代々伝わる土地も自宅も取り上げられてしまった人もいると聞きます。

次回は・・・

ロードサイド店舗のケース】

についてお話したいと思います。

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2007年4月28日土曜日

賃貸マンションのケース 「ず~っと続くの?その入居率、その利益」

久しぶりの投稿となってしまいました。
4月になり、当社にも新卒4名が入社して、いつになく慌しい日々を送っている今日この頃です。

それでは早速、前回の続き(土地活用に失敗してしまうケース①)をお話しましょう。・・・


賃貸マンションのケース『ず~っと続くの? その入居率、その利益』

 「節税対策には最もポピュラー」といわれる賃貸マンション。確かに、ただ土地を持っているだけで支払わなければならない多額の税金のことを考えると、ローンを組んで賃貸マンションを建てれば固定資産税は数年間減免され、家賃収入が入り、うまくいけば投資した額は倍になり、確かな財産を子どもに残してやれる・・・・・・とうれしいことばかり。たとえ建築費に億のお金が必要であっても、35年の長期ローンなら支払額も低く抑えられ、そしてそれは家賃収入から払えば良い。賃貸マンションを建てて損をすることなど何もない。そう思い込んで、多額の借金をして賃貸マンションを建て、後悔している土地オーナーがなんと多いことか。
 賃貸マンション経営は本当にそんなにいいことばかりなのでしょうか? リスクは少ないのでしょうか?
 今、街のあちらこちらに建っている賃貸マンションを見てみてください。「入居者募集」の張り紙をよくみかけませんか? というよりも、新築でない限り「入居者募集」の張り紙があるのが、賃貸マンションだと思っていただいた方が良いでしょう。そう、今の時代、空き部屋があるのが普通なのです。
 賃貸マンションは、建った瞬間から古くなっていきます。それは言われてみれば、ごく当たり前のことです。
 たいていの場合新築時は満室で、2年目、3年目くらいからそろそろ入居者が転勤などで引っ越したりするので、次の入居が決まるまで1~2ヶ月は部屋が空いた状態になります。もしすぐに決まっても、部屋のちょっとしたリフォームなどで空いてしまう期間が出るはずですから、入居率は90~95%くらいといえるでしょう。その後5年後くらいから1部屋、2部屋と空き室が出始め、15年も経てば「いくつもの空き室や家賃滞納者が出て、利益も大幅に減っている可能性が高い」と断言できます。
 一般的に賃貸マンションの入居率は、築15年では、およそ70%だと言われています。近くに新築マンションでもできれば、ますます入居率は下がり、家賃を2割下げてやっと入居者がみつかる状態です。
 年々古くなってきますから、修繕費の積立もかさんできて、収益がさらに悪くなってしまいます。その上、敷金も少なくなっているので退去時のリフォーム代にまた頭を悩ませなくてはなりません。
 ところが、営業マンのセールストークの中にそのような将来の話は全く入ってはいません。彼らは建築会社の営業マンたちですから、マンションを建てたらそれで仕事は終了です。壁にヒビが入っている、窓のサッシが壊れているなど建築関係のクレームには、お金を払えば対処してくれますが、入居募集は不動産会社がすることになっていますので、入居率に関する責任はもちろん持ってくれません。
 いいことばかりに目を向け、将来像を想定しなかったことが大きな失敗につながったケースです。


次回は・・・

店舗付きマンションの落とし穴

についてお話したいと思います。

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2007年3月6日火曜日

バブル崩壊後の悲惨な街、悲惨な土地オーナー

 バブル経済期に街は大きく変わりました。田畑はビルやマンション、店舗、駐車場にと次々に姿を変えて、かっての面影すらないところもあります。
 バブルの頃「持てる者」、「持たざる者」という言葉が大手をふってまかり通り、土地を持っている人達は大きなチャンスに恵まれているかのように、また土地を持っていない人はアンラッキーだと半ばあきらめの気持ちで暮らしていたように思います。
 なぜか理由もはっきりしないまま、土地の値段はどんどん上がっていきました。昔なら、売れにくいはずのあまり使い勝手の良くない土地さえも、かっての3倍、4倍の値段になり、ましてや活用しやすい価値の高い土地なら、天井が見えない想像を超えた値段になって行きました。「土地活用でご先祖の土地を守り利益もあげましょう」と不動産会社や建築会社の営業マンたちは毎日やっきになって土地オーナーのところへ訪ねてきたはずです。
 誰もこの好景気が急に崩れてしまうなどと考えもせず、中には土地を担保に入れて無理なローンを組み、マンションを建てたり、店舗に貸した人もいました。税理士や銀行員にも相談して「大丈夫ですよ」とお墨付きをもらって契約した人も多いことでしょう。
 そして、バブルが崩壊。土地の値段は下がる一方です。街を見渡せば賃貸マンションは空室が目立ち、ビルの店舗は撤退し、1階が店舗のマンションはシャッターは閉じたまま。駐車場にしたものの、たくさん空きがある。これなら建物を建てなくてよかったとほっとしている人も多いはずです。住んでいる人々にとって、便利さや快適さや楽しさとは無関係の悲惨な街になってしまいました。
 時代も変わりました。新しい価値観にともない、消費者は駅前の商店街から郊外のロードサイド店舗に流れています。家族連れは休日にはドライブがてら大型のロードサイド店舗に行くのがライフスタイルの主流になっています。人々はもう商店での対面販売よりもスーパーで買物をすることに慣れています。
 駅前の商店街は、お客さんより店員の方が多いくらいで閑古鳥が鳴いているという嘆きの声を耳にすることもあります。さまざまなアイデアでお客さんを呼ぼうと努力されているところもありますが、時代には勝てないようで、商店街を潰して大きな分譲マンションに建て替えたところも増えてきました。
 私は思います。かつて「持てる者」と囃し立てられた土地オーナーたちの中には、今つらい思いをしている人がいるのではないだろうか?好景気の「今」だけを信じて、無計画に無理をした人は、大きなツケが返ってきているのにちがいないのですから。そして、こんな時代が来るなどとは多くの人は予想もつかなかったのですから。
 土地活用は、会社経営と同じくらい厳しいものです。無理な土地活用をするなら、しない方がマシなのです。バブルの頃が異常であったとしても、今でさえ土地活用を気楽に考えて、営業マンの言うことを鵜呑みにしてしまう人がなんと多いことか。営業マンだけではありません。税理士、銀行、農協・・・・・・。本当に彼らの言葉をそのまま信じてよいのでしょうか?
 土地活用に興味をお持ちでしたら、不動産屋の社長になったつもりで勉強し、判断することをお勧めします。とは言っても、不動産や税金のことは複雑で少し勉強したくらいでは身につきません。
 では、何を勉強したらよいのでしょうか?それは業界のことを知り「失敗しない選択をすること」です。失敗する理由の70%くらいは、業界のしくみを知らないからだと私は考えています。
 このブログで、私は今まで誰も話さなかった業界のことをお話します。そして明らかな失敗を避け、成功する土地活用の選択を可能にするヒントをお教えしようと思います。

 それではまずは土地活用に失敗してしまうケースについてお話しましょう。


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2007年2月6日火曜日

はじめに

 『自己責任』という言葉は、イラクでの日本人人質事件以来、急に使われるようになった言葉ですが、私はこの言葉があまり好きではありません。
 例えばAという商品を売る人と、買う人がいたとしましょう。Aという商品を買う人が、よく吟味し、細心の注意を払って買う。そしてその行動に自分で責任をもつことが自己責任である、というのが本来の意味だと思います。
 ところが、近頃の自己責任という言葉の使われ方は、商品を売る側が、責任を転嫁するための言葉になっています。Aの商品を選んだのはあなたです。ですから、たとえAがあなたにとって満足するものでなかったとしても、すべてあなたの自己責任ですと。
 ましてや、不動産活用のように専門の知識や経験が必要になってくるような場合、売る側と買う側の関係は、まさにプロと素人。この関係において、売る側が、買った側の自己責任だと主張するのは筋違いです。
 では、不動産活用を提案する側の、責任範囲とは一体どこまででしょう。入居者と賃貸借契約を締結するまででしょうか?それとも、建物を引き渡して土地オーナーが事業を始めるまででしょうか?私の答えは、全然違います。それは建物の寿命が尽きるまでです。一般的には20年か30年くらいでしょう。不動産活用を提案するコンサルタントは、建物のライフサイクルを考える長期的視野と、街全体の調和を考える広い視野の、二つの視野を持つことが必要です。
 しかし、今流行の『自己責任』の言葉で、土地オーナーに責任を押しつけて、知らないフリの建築会社・不動産会社のいかに多いことか。そして『自己責任』だから仕方がないと、泣き寝入りしている土地オーナーのいかに多いことか。ところが、悲しいことに今の法律では、そんな土地オーナーを守ってはくれないのです。
 そんな『自己責任』の時代に、先祖から土地を引き継いでしまった土地オーナーは、一体どうやって土地を次世代に継承させることができるのでしょうか?このブログは、そんな土地オーナーが安心できるような、リスクのない方法をお教えします。しかも、今までの土地活用では考えられなかった建築投資利回り48.3%を実現する方法も一緒にお教えします。
 私は建築会社や不動産会社の提案を鵜呑みにして、建築投資をしてしまい、やっかいな土地を相続してしまったと考えられている土地オーナーの方を多く知っています。そのような方々が、このブログから土地を相続できたことを、先祖に感謝する気持ちになっていただければ幸いです。そしてこのブログを参考にして土地活用された施設が、地域住民の方々に憩いを提供できれば、これに勝る喜びはありません。


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