2012年12月25日火曜日

サイクリングで物件調査


田嶋不動産コンサルティングFP事務所では、土地活用の相談依頼を受け付けています。
依頼を受けて最初におこなうのが物件調査です。これは、直接現場に行く以外に方法がありません。


遠方の物件の時は、休日に自転車で行きます。
趣味のサイクリングと仕事。まさに、一石二鳥。



今回は、琵琶湖の東にある野洲市の物件だったので、大津から琵琶湖大橋を渡って堅田まで、60㎞くらいのサイクリングをしてきました。


土地オーナーの皆さん。どんなに遠くても遠慮なく、土地活用の相談をしてください。




それでは早速、前回の続きをお話しましょう…。

--------------------------------------------------------------------------------

「失敗のしない土地活用」 #5

-ロードサイド店舗のケース 『高い建築費がこわい』-

 ロードサイド店舗とは、ジャスコやセブンイレブン、マクドナルド、すかいらーく、紳士服の青山、大型家電など道路に沿った土地に建っている駐車場付き店舗のことです。
 多くの女性が車を運転するようになり、ファーストフード店や大型スーパーなど、ロードサイドの店舗は今や増える一方です。映画館と併設した大型のロードサイド店舗には、土曜・日曜には家族連れがどっと集まり、平日でさえも主婦や学生がショッピングに、映画鑑賞にとやってきます。
 モノを見る目を持ち、結婚していてもぬかみそ臭くはなりたくない、そんなふうに考える若い女性たちは、生活感あふれる駅前の商店街よりも、必要なものが全部そろうスーパーで買い物するのが普通です。また、映画、音楽、本と文化的なものに惹かれ、ファッションやインテリアにもこだわります。ファッション性のない店には、彼女たちの足はあまり向きません。
 また家族や友人と外食をする機会も多くなりました。そんな時は近所の店ではなく、郊外のカジュアルレストランや和風レストラン、あるいは大型店の中にあるレストランに行く人もいるかもしれません。
 このような時代の流れを考えた時、ロードサイドに土地があるなら、テナントと契約するのはベストな道だと考える方も多いのではないでしょうか? 賃貸マンションと異なり、テナントはあらかじめ決まっているし、建築費もマンションよりはるかに安いのでリスクも小さいから安心・・・・・・?
 いいえ、ここにも大きな落とし穴があります。何も知らないでいると、無理な借金を背負ってしまう可能性が潜んでいるのです。
 ロードサイド店舗の場合、確かにあらかじめテナントは決まっています。けれど、土地オーナーは単に土地を貸すのではありません。テナントが望む店を建てなければならないのです。多くのテナントはチェーン店で、坪数も店の図面も決まったものがあります。そして、建築費用に充当する「建設協力金」を出してくれます。じゃあ安心だ、問題ない、と思いますか? いいえ、まったくそうではありません。
 その一例をあげると、建築会社から紹介されたテナントと20年の契約をした土地オーナーがいました。テナントを紹介してくれる条件に、建築は特命(※注1)で発注することになりました。こうなると、建築費用は建築会社の意のままになります。テナントは、店舗の建築費用に充当する「建設協力金」を出しますが、建築会社は、それ以上の建築費を要求。その結果、土地オーナーは銀行で3,000万円のローンを組むことになりました。
 この3,000万円は、当然テナント賃料のアップにもつながります。お店の経営にはゆとりがなくなり、とうとう7年目で撤退せざるをえなくなりました。「建設協力金」はテナントが放棄するという特約のため、返さなくてよいものの、土地オーナーには多額のローンと他のテナントでは利用出来ない建物だけが残ってしまいました。
 一体この先、多額の借金をどうやって返せばよいのでしょう? 建築会社に相談すると、「建物を解体して、別の店舗を探しましょう」。そして、くり返される特命発注→高額な建築費→建築費のための新たなローン。利益を上げるのは建築会社ばかり。競争見積もりのない「特命発注」という日本独特の不透明なしくみが、何人もの土地オーナーを苦しめています。

(※注1)特命発注工事とは、本来は『他社との競争見積りを行わずに、特定の信頼関係のある工事会社に、予算内に納まれば注文します。』という意味ですが・・・?

特命になる理由:有力者や銀行、農協からの紹介。
        その会社や系列の会社が入居保証や一括借上げをする。
        テナントを見つけてきた。
        立退き交渉に協力した。

特命になると:有力者や銀行、農協への謝礼を工事費に
        入居保証や一括借上げの将来のリスクを工事費に
        テナント付けをした優先権を工事費に
        立退き交渉に要した手間とコストを工事費に
             ↓
            上乗せ

この他に、工事費の上限を決められた指値発注や、義理で赤字覚悟で受注する工事も『特命』と呼ばれています。
 
 次回につづく・・・


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年12月12日水曜日

今日が創立記念日です。12年が経ちました。


私は、今年で48歳になりました。
36歳で独立して会社を設立したのが、平成12年12月12日。
丸12年経った、今日が2012年12月12日。12のオンパレードです。

自分自身では、年齢をあまり感じていないのですが、昔のように体が動かなくなっているのかも知れません。

先日、10㎞マラソンに出場しました。タイムは52分。
学生時代のように45分前後では走ることはできませんが、体に肉がつき始めた30歳の頃と同じタイムだったので、とりあえず一安心しました。





 それでは早速、前回の続きをお話しましょう…。

---------------------------------------------------------------------------

 「失敗のしない土地活用」 #4

 -店舗付きマンションのケース 『最もリスクの大きい土地活用』-

 「店舗付きマンション」とは、賃貸マンションの1Fが店舗となっている賃貸マンションのことです。はっきり言いましょう。よほど大きな駅のそばか、
あらかじめテナントが決まっていない限り、失敗する可能性が最も高い土地活用です。
 なぜか。それは、店舗をつくる会社ではなく、マンションをつくる会社が建物を設計するからです。お店を1軒つくるには、その店が最も繁盛するような場所に、最も業種に合った店舗設計を考えなければなりません。駐車場も必要でしょう。それなのに、建築会社は店舗のスペースを設けるものの、その店舗スペースにどのような業種のテナントが入るのか? また、テナントの売上げ予測はどの程度なのか? という検討はなされていません。
そんな店舗をデザインして、果たしてテナントが入るかどうか、少し考えれば専門家でなくてもわかるのではないでしょうか。結局、その店舗スペースは空いたままで年中シャッターが閉まっていることになるかもしれません。シャッターが閉まったままだと、マンション全体のイメージまで悪くなってしまう気がします。
 まずはあなたの土地にお店をつくることを考えてみてください。「こんな店なら流行るに違いない」と思うようなものはありますか?考えるのはかなり難しいことがわかるでしょう。
 ところがこの店舗付きマンション、非常に多いのです。そしてたいていは店舗の半分はシャッターが閉まっていて「貸店舗募集中」。私はその光景を見る度に「あ~あ、営業マンの言いなりになってしまったのだなあ。ひとこと私に相談してくれたらなあ」と思うのです。
 営業マンは賃貸マンションを勧めて、土地オーナーがまだ首を縦にふらないとき、「店舗付きマンションはいかがでしょう」と切り出すことが多いものです。それは、店舗スペースを加えることにより、賃料収入が増えるような錯覚を与えられるからです。 そして土地オーナーは最善の土地活用のような気になって、請負契約書に印を押してしまうのです。
 10年経っても竣工以来、一度もシャッターが開かず、広い店舗スペースはずっと収入ゼロ。これは稀な例ではありません。土地オーナーの中には借金を返せず、代々伝わる土地も自宅も取り上げられてしまった人もいると聞きます。

 次回につづく・・・


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年12月3日月曜日

どんどん紙が少なくなっていきます

   
電車の中で文庫本を読む人が少なくなりました。ほとんどの人が、スマートフォンや携帯電話をさわっています。

私も、その一人です。本はダウンロードしてiPadで読んでいます。

けれども、どういうわけか、新聞に関しては「紙面で読まないとダメ」 という気持ちがありました。

私は、日本経済新聞、日経流通新聞、読売新聞の三紙を毎朝机に広げて一時間くらい時間をかけて読んでいます。
この習慣は、ずっと続くと確信していました。

しかし、知人に勧められて日本経済新聞の電子版(有料版)を読んで、目から鱗が落ちました。
この、すばらしさは、実際に読まないとわかりません。
当然ですが、無料版と有料版では全く違います。


毎朝、家に新聞紙が配達されて、会社に行く前に新聞紙に目を通す。この、当たり前の風景がなくなる日も、そう遠くないと思います。



それでは早速、前回の続きをお話しましょう…。

--------------------------------------------------------------------------------

「失敗のしない土地活用」 #3

賃貸マンションのケース『ず~っと続くの? その入居率、その利益』

 「節税対策には最もポピュラー」といわれる賃貸マンション。確かに、ただ土地を持っているだけで支払わなければならない多額の税金のことを考えると、ローンを組んで賃貸マンションを建てれば固定資産税は数年間減免され、家賃収入が入り、うまくいけば投資した額は倍になり、確かな財産を子どもに残してやれる・・・・・・とうれしいことばかり。たとえ建築費に億のお金が必要であっても、35年の長期ローンなら支払額も低く抑えられ、そしてそれは家賃収入から払えば良い。賃貸マンションを建てて損をすることなど何もない。そう思い込んで、多額の借金をして賃貸マンションを建て、後悔している土地オーナーがなんと多いことか。
 賃貸マンション経営は本当にそんなにいいことばかりなのでしょうか? リスクは少ないのでしょうか?
 今、街のあちらこちらに建っている賃貸マンションを見てみてください。「入居者募集」の張り紙をよくみかけませんか? というよりも、新築でない限り「入居者募集」の張り紙があるのが、賃貸マンションだと思っていただいた方が良いでしょう。そう、今の時代、空き部屋があるのが普通なのです。
 賃貸マンションは、建った瞬間から古くなっていきます。それは言われてみれば、ごく当たり前のことです。
 たいていの場合新築時は満室で、2年目、3年目くらいからそろそろ入居者が転勤などで引っ越したりするので、次の入居が決まるまで1~2ヶ月は部屋が空いた状態になります。もしすぐに決まっても、部屋のちょっとしたリフォームなどで空いてしまう期間が出るはずですから、入居率は90~95%くらいといえるでしょう。その後5年後くらいから1部屋、2部屋と空き室が出始め、15年も経てば「いくつもの空き室や家賃滞納者が出て、利益も大幅に減っている可能性が高い」と断言できます。
 一般的に賃貸マンションの入居率は、築15年では、およそ70%だと言われています。近くに新築マンションでもできれば、ますます入居率は下がり、家賃を2割下げてやっと入居者がみつかる状態です。
 年々古くなってきますから、修繕費の積立もかさんできて、収益がさらに悪くなってしまいます。その上、敷金も少なくなっているので退去時のリフォーム代にまた頭を悩ませなくてはなりません。
 ところが、営業マンのセールストークの中にそのような将来の話は全く入ってはいません。彼らは建築会社の営業マンたちですから、マンションを建てたらそれで仕事は終了です。壁にヒビが入っている、窓のサッシが壊れているなど建築関係のクレームには、お金を払えば対処してくれますが、入居募集は不動産会社がすることになっていますので、入居率に関する責任はもちろん持ってくれません。
 いいことばかりに目を向け、将来像を想定しなかったことが大きな失敗につながったケースです。


 次回に続く・・・


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年11月19日月曜日

大阪ロータリークラブ創立90周年記念式典


11月16日、リーガロイヤルホテルにて開催された創立90周年記念式典に、招待され出席してきました。




東京ロータリークラブがダラスロータリークラブをスポンサーとしているのに対して、日本で第2番目に認証を受けた大阪ロータリークラブは国際ロータリー直轄で出来たクラブであり、親クラブを持たない本家クラブと呼ばれる日本唯一のロータリークラブという大変伝統のあるクラブの周年行事だけあって、立派な式典でした。

私が所属する池田ロータリークラブも来年度は60周年を迎えます。
次年度は、私が会長に就任することもあり、身の引き締まる思いです。


それでは早速、前回の続きをお話しましょう…。

--------------------------------------------------------------------------------

「失敗のしない土地活用」 #2 

バブル崩壊後の悲惨な街、悲惨な土地オーナー

 バブル経済期に街は大きく変わりました。田畑はビルやマンション、店舗、駐車場にと次々に姿を変えて、かつての面影すらないところもあります。
 バブルの頃「持てる者」、「持たざる者」という言葉が大手をふってまかり通り、土地を持っている人達は大きなチャンスに恵まれているかのように、また土地を持っていない人はアンラッキーだと半ばあきらめの気持ちで暮らしていたように思います。
 なぜか理由もはっきりしないまま、土地の値段はどんどん上がっていきました。昔なら、売れにくいはずのあまり使い勝手の良くない土地さえも、かつての3倍、4倍の値段になり、ましてや活用しやすい価値の高い土地なら、天井が見えない想像を超えた値段になって行きました。「土地活用でご先祖の土地を守り利益もあげましょう」と不動産会社や建築会社の営業マンたちは毎日やっきになって土地オーナーのところへ訪ねてきたはずです。
 誰もこの好景気が急に崩れてしまうなどと考えもせず、中には土地を担保に入れて無理なローンを組み、マンションを建てたり、店舗に貸した人もいました。税理士や銀行員にも相談して「大丈夫ですよ」とお墨付きをもらって契約した人も多いことでしょう。
 そして、バブルが崩壊。土地の値段は下がる一方です。街を見渡せば賃貸マンションは空室が目立ち、ビルの店舗は撤退し、1階が店舗のマンションはシャッターは閉じたまま。駐車場にしたものの、たくさん空きがある。これなら建物を建てなくてよかったとほっとしている人も多いはずです。住んでいる人々にとって、便利さや快適さや楽しさとは無関係の悲惨な街になってしまいました。
 時代も変わりました。新しい価値観にともない、消費者は駅前の商店街から郊外のロードサイド店舗に流れています。家族連れは休日にはドライブがてら大型のロードサイド店舗に行くのがライフスタイルの主流になっています。人々はもう商店での対面販売よりもスーパーで買物をすることに慣れています。
 駅前の商店街は、お客さんより店員の方が多いくらいで閑古鳥が鳴いているという嘆きの声を耳にすることもあります。さまざまなアイデアでお客さんを呼ぼうと努力されているところもありますが、時代には勝てないようで、商店街を潰して大きな分譲マンションに建て替えたところも増えてきました。
 私は思います。かつて「持てる者」と囃し立てられた土地オーナーたちの中には、今つらい思いをしている人がいるのではないだろうか?好景気の「今」だけを信じて、無計画に無理をした人は、大きなツケが返ってきているのにちがいないのですから。そして、こんな時代が来るなどとは多くの人は予想もつかなかったのですから。
 土地活用は、会社経営と同じくらい厳しいものです。無理な土地活用をするなら、しない方がマシなのです。バブルの頃が異常であったとしても、今でさえ土地活用を気楽に考えて、営業マンの言うことを鵜呑みにしてしまう人がなんと多いことか。営業マンだけではありません。税理士、銀行、農協・・・・・・。本当に彼らの言葉をそのまま信じてよいのでしょうか?
 土地活用に興味をお持ちでしたら、不動産屋の社長になったつもりで勉強し、判断することをお勧めします。とは言っても、不動産や税金のことは複雑で少し勉強したくらいでは身につきません。
 では、何を勉強したらよいのでしょうか?それは業界のことを知り「失敗しない選択をすること」です。失敗する理由の70%くらいは、業界のしくみを知らないからだと私は考えています。
 このブログで、私は今まで誰も話さなかった業界のことをお話します。そして明らかな失敗を避け、成功する土地活用の選択を可能にするヒントをお教えしようと思います。

 それではまずは土地活用に失敗してしまうケースについてお話しましょう。

 次回に続く・・・


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年11月15日木曜日

気持ちは学生時代のまま


毎年11月の2週目の土日は、OBランと決まっています。

OBランとは、大阪教育大学体育会サイクリング部のOB会の自転車走行会です。

集まったのは、上は68歳から下は48歳。
私が、最年少の48歳です。





学生時代は、体育会で上下関係が厳しかったので、1つ学年が違えば先輩と話をするのも難しかったのですが、卒業すれば何でも話せる良い人間関係です。

サイクリングという共通に趣味のおかげで、一生の友人や先輩、後輩とつきあいができることに本当に感謝しています。

--------------------------------------------------------------------------------

※今回から、ブログで「失敗のしない土地活用」というタイトルで、私の経験を基にリスクを最小限に押さえた土地活用のコツについて連載していきます。(2005年に私が出版した、「自己責任型土地活用で 建築投資利回り48.3% 7つのポイント」を、現在に合うように加筆・修正したものです)

--------------------------------------------------------------------------------

「失敗のしない土地活用」 #1

-はじめに-

 私は最近「自己責任」という言葉は、商品を売る側が、責任を転嫁するための言葉になっているように思います。Aの商品を選んだのはあなたです。ですから、たとえAがあなたにとって満足するものでなかったとしても、すべてあなたの自己責任ですと。
 ましてや、不動産活用のように専門の知識や経験が必要になってくるような場合、売る側と買う側の関係は、まさにプロと素人。この関係において、売る側が、買った側の自己責任だと主張するのは筋違いです。
 では、不動産活用を提案する側の、責任範囲とは一体どこまででしょう。入居者と賃貸借契約を締結するまででしょうか?それとも、建物を引き渡して土地オーナーが事業を始めるまででしょうか?私の答えは、全然違います。それは建物の寿命が尽きるまでです。一般的には20年か30年くらいでしょう。不動産活用を提案するコンサルタントは、建物のライフサイクルを考える長期的視野と、街全体の調和を考える広い視野の、二つの視野を持つことが必要です。
 しかし、『自己責任』の言葉で、土地オーナーに責任を押しつけて、知らないフリの建築会社・不動産会社のいかに多いことか。そして『自己責任』だから仕方がないと、泣き寝入りしている土地オーナーのいかに多いことか。ところが、悲しいことに今の法律では、そんな土地オーナーを守ってはくれないのです。
 そんな『自己責任』の時代に、先祖から土地を引き継いでしまった土地オーナーは、一体どうやって土地を次世代に継承させることができるのでしょうか?このブログは、そんな土地オーナーが安心できるような、リスクのない方法をお教えします。しかも、今までの土地活用では考えられなかった建築投資利回り48.3%を実現する方法も一緒にお教えします。
 私は建築会社や不動産会社の提案を鵜呑みにして、建築投資をしてしまい、やっかいな土地を相続してしまったと考えられている土地オーナーの方を多く知っています。そのような方々が、このブログから土地を相続できたことを、先祖に感謝する気持ちになっていただければ幸いです。そしてこのブログを参考にして土地活用された施設が、地域住民の方々に憩いを提供できれば、これに勝る喜びはありません。

次回につづく・・・



居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年11月2日金曜日

引っ越しは大変・・・


10月20~21日で事務所の移転をおこないました。

以前の事務所は、駅から遠く、来客者や社員に不便をかけていたこともあり、今度は駅の近くに移りました。


同じ池田市内で、元々そんなに広い事務所でもなかったので、「引っ越しも大したことはないだろう」と高を括っていたのですが、予想外に大変で驚きました。

引っ越しから2週間。ようやく人目に付くところは片づきましたが、裏側は・・・。

--------------------------------------------------------------------------------

不動産コンサルタントがお答えします #7

=質問=

 テナントについて。北九州で600坪の土地にいくつかテナントを建設したいと考えております。 ひとつはコンビニに誘致したいと思いますが、建築依頼をする業者はどんな会社が良いか教えてください。建築会社といえば、ハウスメーカーくらいしか思い当たりません。5社くらいで合い見積りをとりたいと思います。またその他アドバイス等あれば宜しくお願いいたします。

=回答=

 ロードサイド店舗での土地活用の場合、最も大事なことは、どのテナントに、どのような経済条件、どのような賃貸借条件で貸すかということです。まず、その立地に具体的に出店意思のあるテナントから、出店申込書を提出してもらうことが第一です。マンションやテナントビルの場合は、家主が条件を提示しますが、ロードサイド店舗の場合、まず、テナントが先に条件を提示するのが普通です。
 建築会社をどこにするべきかという質問ですが、テナントから出店申込書を入手したのが建築会社の場合、その建築会社で特命受注することを条件とする建築会社がほとんどです。この場合、建築費はかなり高くなるのが一般的です。相見積りで建築をした場合の3割増しくらいになるケースもあります。コンビニで1,000万円、外食で2,000万円くらいは高いのではないでしょうか。「テナントを探してくれるだけでどうしてそんなに高い建築費を払わなければいけないのか」と思われがちですが、私はそのくらいの価値は十分にあると思います。もちろん不動産業者がテナントを紹介した場合は、建築会社は家主が自分で建築会社を探すことができます。この場合の、建築会社選びのポイントは、店舗建築の経験があるところを選ぶことです。特に、オープン日に合わせてのテナントへの中報告や、竣工後のアフターサービス、テナント業者との工事の取り合いなど、経験が無いと無理です。
 建築費だけのこと心配されるのなら、テナントから紹介してもらうのが一番です。多くのテナントは自社の店舗を一番安く施工できる業者を知っています。
 このようなことが得意な建築会社は、大和ハウス工業の流通店舗事業部です。その他の建築会社、不動産会社、リース会社や銀行などとは群を抜いています(地元密着の不動産会社や建築会社で、その地域では大和ハウスよりレベルが高い会社もありますが・・・)。前述の通り、建築費は高いですが、能力に見合っていると範囲内と言えると思います。
 あと、よくコンサルタント会社や中途半端な知識がある人は、この土地はどの業種に向いているとかを提案したがる方がいますが、そんなことはあまり必要ありません。むしろ、出店するテナント自身が一番よく知っています。ある程度のチェーン店なら市場調査を済ませています。
 また、最近、三大都市圏以外ではコンビニエンスストアの土地面積がどんどん大きくなっています。駅前立地でもなければ、コンビニでも600坪なら単独出店となるケースが多いですよ。



居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年10月9日火曜日

動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し

「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」
高杉晋作を評した、伊藤博文の言葉です。


          【高杉晋作像】

幕末の歴史小説が大好きな私ですが、
中でも、実直、誠実な長州藩が一番です。
長州藩のなかでも惹かれるのが、高杉晋作。
自由に優雅に人生を楽しみながら、
いざ軍事・外交となると、天才ぶりを発揮する。
私も、そういう人物なりたいと、あこがれています。


          【松下村塾】

秋の晴天の中、津和野~萩~秋吉台~山口とサイクリング。

--------------------------------------------------------------------------------

不動産コンサルタントがお答えします #6

=質問=

 自営でお店をやっているのですが、訳あって実家に帰らないといけなくなってしまいました。お店は始めて2年になるのですが、お客さんも来てくれて順調に軌道に乗っています。 このまま閉めるのは勿体なく知り合いに譲ろうと思っています。このような場合は名義変更して譲る事は可能でしょうか?
 店舗は借り物件なのでそのままの形でオーナーだけ変えて営業出来るのでしょうか?

=回答=

 家主の承諾なしに転貸することはできません。
 設備や内装、造作を無料・有償で譲渡することを造作譲渡といい、最近増えてきています。
 せっかく、譲渡先を決めても家主さんがその人に貸したくない、といえば無理です。逆に、家主さんに造作譲渡の了解を求めても、後継テナントが決まっていない状態では、なかなか了解してもらえません。
 ただ、造作譲渡のメリットは退店者は原状回復しなくてよい、売却益があるかもしれない、出店者には、出店コストが安く済むなど双方にメリットがあります。家主さんにも、後継テナントが決まるというメリットがあります。
 不動産屋に「後継テナントがいる。造作譲渡したい。」と正直に伝えるべきです。もちろん、後継テナントは不動産屋に仲介手数料が必要です。



居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年9月19日水曜日

2012出雲路センチュリーライド


9月9日に、出雲路センチュリーライドというサイクルイベントに参加しました。



山岳コースを含む160km10時間という長丁場で、私にとっては体力の限界まで出し切らないと完走できないレースで、充実した達成感を得ることができました。


--------------------------------------------------------------------------------

不動産コンサルタントがお答えします #5

=質問=

 不動産取引に於いて、仲介手数料とは別にコンサルタント料を受け取っても良いのはどんな場合ですか?
 任意売却物件の売買で買主より、当該物件の入手が円滑に出来た為、コンサルタント料を支払いたいと言われました。コンサルタント料について、解釈が曖昧で、識者に尋ねるも明確な答えが得られません。ちなみに、今回の取引では、他にも購入したい人がいた為、間に入って調整して欲しいとの依頼がありました。
 コンサルタント料を不動産業者が受け取っても良い事例とはどのような場合がありますでしょうか?御知恵を拝借出来れば大変助かります。

=回答=

 「コンサルタント」というものの捉え方自体が曖昧な部分がありますから、考え方は異なると思います。
 私見ながら、考え方の1つとして、「不動産コンサルティング技能登録者」が行う様なコンサルをすれば良いと思います。つまり、コンサル行為そのものに経済価値があって、仲介業務とは独立した業務になっているか?言い換えれば、取引の成否に関わらずコンサル料を請求できそうな案件であるか?という点がポイントかと思います。今回の任意売却案件で、ご質問者がどの様に関わったのか分かりませんが、直接売り手や債権者等と交渉をして取引をまとめたのであれば、コンサル業務というよりは仲介業務の一環と考えるべきであって(そもそも仲介業務自体にはコンサルタント・プロポーザル的要素は多少なりとも含まれる筈)、仲介手数料を上限額もらうのであれば、それとは別にコンサル料を取ると宅建業法違反になると思います。
 業法に抵触しない事例として考えられるのは、①今回の取引で仲介手数料が発生していない(誰も宅建業法上の宅建業を行っていない)②仲介手数料+コンサル料の合計が仲介手数料額の上限に納まっている③ご質問者は買主さんへのアドバイス等に徹しており、宅建業者としての関与は一切ないなどの場合かと思います。
 客観的に考えて、仲介業務の延長線上に今回のコンサル業が位置づけられていないか、コンサル業務そのものに経済価値が見出せるかという点がポイントかと思います。



居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年9月4日火曜日

六甲山


宝塚の自宅から六甲山の頂上まで、自転車で1時間30分で着きます。

たかが1時間30分ですが、この苦しさは半端ではありません。

前日から緊張し、走っているときは心拍数が200を超え、途中で足がつってしまいます。

そんなに苦しいのなら、行かなきゃいいんですが、刺激を求めて挑戦してしまいます・・・。


--------------------------------------------------------------------------------
 
不動産コンサルタントがお答えします #4

=質問=

 数年中に、自分の好きな場所に店をオープンさせたいのですが、土地を確保するのには何をすべきなんでしょうか?
 今すぐにという訳ではありませんが、店を始める場合、立地が大きくモノをいう業種なので、慎重かつ納得いくロケーションを選びたいと思っています。しかし不動産屋を見ても、なかなか思う場所が仲介物件では出ていません。更地や田畑などの場合、問い合わせ先がわからないのです。持ち主様に直接交渉ということになるんでしょうけど、まず何を調べてどう交渉するのでしょうか。
 また、仮に交渉できても、積極的に売り出しをしていないということは、交渉自体難しい(売る気がない)ことがないのでしょうか?
=回答=

 ロードサイドに店舗に出店を検討されているのなら、土地購入以外に2つの方法があります。
 一つは、地主さんにあなたの希望する店舗を建築してもらい、その建物を10年~20年契約で賃貸するという方法です。
 もう一つは、地主さんから10年~30年の事業用定期借地で土地を賃借し、自己の費用で建物を建築する方法です。
 前者の場合、賃料だけでなく建築費も賃貸借条件の大切な要素になってくるので、一般の賃貸の不動産業者では無理です。全国規模では大和ハウス工業の流通店舗事業部が最大手です。この分野で、圧倒的シェアを占めています。大手チェーン店舗を得意としていて敷居が高いと思われるなら、ロードサイド店舗を得意とする不動産業者、建築会社でも相談できます。地主さんに直接交渉しても、絶対に話はまとまりません。
 後者の場合、「事業定期借地で土地を貸借したい」ということで不動産業者から情報を入手することができます。
 ロードサイド店舗の物件情報は、一般の賃貸店舗の情報に比べて、格段に少ないです。逆に、大手チェーン店は必死に物件を探しています。オープン希望時期、建築費を含めた開業資金の額、希望家賃、希望する建物の大きさと駐車台数。これらを知ったり把握しておかないと、不動産業者や建築会社も相談に乗ってくれないと思います。頑張ってください。




居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年8月16日木曜日

道後温泉 松山~新居浜の峠越え

道後温泉と坂の上の雲。

お盆休みは、いつものようにサイクリングです。
今回は、「坊ちゃん」と「道後温泉」で 有名な松山に行きました。




道後温泉は、さすがに大混雑。
もう一つ、いま松山で盛り上げっているのは「坂の上の雲」です。
記念館や秋山兄弟の生家には、熱心なたくさんの観光客がいました。
さすが、司馬遼太郎先生。







不動産コンサルタントがお答えします #3

=質問=

 300坪くらいの駐車場を持っています。およそ3分の1はあいています。
管理は自分でやっているのですが、草むしりなど大変です。
売り飛ばすには惜しいし、今後どうすればいいか迷っています。


=回答=

  間口がある程度確保でき地形がよく、前面道路の交通量がそこそこあるのなら、事業用定期借地で土地を貸すか、建物を建築して貸す、という選択肢もあると思います。
 面積からすると、コンビニやラーメン、牛丼などのロードサイド店舗。サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホーム。倉庫、配送センターなどが長期間貸せて、管理の手間がかかりません。いずれにしても土地活用は借り手があってからの話なので、借り手を見つけるために「テナント募集」のような立て看板を建てるのも効果があります。現場を見ていないので、一般論としてご理解ください。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年8月6日月曜日

オリンピック

近頃、オリンピック観戦で寝不足の毎日です。

 日本は、個人競技よりもチームプレーの団体戦の方が得意にようです。
 どの競技を観ても、本当に日本の選手たちは仲が良くて感心します。
 反面、一匹オオカミ的な選手が少なくなり、少し寂しい気がするのは、私だけでしょうか?



不動産コンサルタントがお答えします #2

=質問=

自分は不動産会社に就職したいと思っています。

ここで質問です!

不動産会社に就職したいときに
取っておくと有利な資格をおしえてください!!


=回答=

 まずは、宅地建物取引主任者(宅建)。
 あと、ファイナンシャルプランナー、さらに、不動産コンサルティング技能士やマンション管理士も。
 本当は、学生時代に資格を取るより、就職してから取る方が、実務を理解してから勉強するので、ずっと役に立つのですが・・・。
 ですから、当社では資格をもっていても採用試験で加点することはありません。
 ただ、就職してから何年勉強しても宅建に受からない社員がいます。会社とすればお荷物です。学生時代に宅建に合格していれば、そういう問題はないことが証明できます。
 また、面接の際、履歴書に資格が書いてあると「おっ、不動産に興味があるのか」と思って、必ず質問をします。これが、一番有利になる点だと思います。


居抜き店舗のTENPObe

2012年7月6日金曜日

不動産コンサルタントがお答えします

不動産コンサルタントとして、以前、お客様やホームページをご覧いただいた方等からいただいた質問に、メールや電話で回答させていただいた例を、このブログで紹介させていただきます。


              国土交通大臣登録
    不動産コンサルティング技能登録者
                 (2)第25497号
                  田嶋 也寸志







不動産コンサルタントがお答えします #1

=質問=

 現在、遊んでいる土地があれば、何に運用するのがいいですか?
 私の想像では以下になります。

 1、駐車場。収入は少ないですが、イニシャルコスト、ランニングコストが少ない。
 2、住宅を建てて賃貸。収入はいいですが、イニシャルコスト、ランニングコストが高い。空室リスクが怖い。
 3、土地を貸して地料を得る。中長期的に利用してくれる(特に住宅)ので安定した収入が見込める。コストが少ない半面、すぐに撤退できない。

=回答=

 その土地が、ロードサイド店舗(駐車場付き店舗、コンビニ、ファミレス、服屋など)が出店可能なら、ロードサイド店舗を建築して、長期契約で賃貸するのがいいでしょう。ただし、建築する前に、テナントを見つけることが先です。

 事業用定期借地で、土地だけを賃貸する方法もあります。

 また、最近、店舗に不向きな土地なら、サービス付き高齢者向き住宅という方法があります。ことし4月に制度化され、土地活用を考えられるなら検討すべきです。介護事業者が一括賃貸するので、マンションのように空室リスクはありません。貸主の立場から考えると、従来の、高専賃や住宅型老人ホームより制度化されており安心です。



居抜き店舗のTENPObe

2012年6月19日火曜日

WIN-WIN-WIN

WIN-LOSE ではなく WIN-WIN

最近、ビジネス用語としてよく使われるようになった言葉です。

自分が勝って、相手にも勝たせる、という意味ですが、家主さんとテナントさんとの関係にもWIN-WINが成り立つと思います。

賃料など経済条件のことを考えると、WIN-LOSEになってしまうのですが、
”繁盛する店舗”を創ることができれば、家主さんとテナントさんとにWIN-WINを成立することができます。


そして、WIN-WINの関係にTENPO beも仲間に入れていただいて・・・。

繁盛する店舗”を創ることで、家主さん・テナントさん・TENPO beで
「WIN-WIN-WIN」の関係を築くことができます。


家主さんから、「できるだけ賃料の高いテナントを紹介して」と要望されることもありますが、「賃料が高いテナントよりも、繁盛するテナントが一番」という説明をしています。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年6月12日火曜日

東京スカイツリー

今、東京といえば、東京スカイツリーですね。

仕事で行くことはあっても、自転車で行くことはなかった東京ですが・・・。
はじめて、自転車で巡ってきました。





東京スカイツリーは、人だらけ。
予想はしていましたが・・・。
少しはなれて、隅田川沿いは人も少なかったです。



----------

当社で企画させていただいた、サービス付き高齢者向け住宅が今春完成しました。高齢者住まい法が改正と同時に着工した物件です。



このような、法改正が繰り返される中、「高齢者向け施設や住宅の区別がつかない」という意見をたくさん聞きます。特に、土地活用を考える地主さんにとって、「何が一番有利なのか」「リスクの少ないのはどれか」ということを解説してくれる本や書類がなかなか見つかりません。

これらを区別するポイントは以下の3点です。

●建物の種類
住居か施設(非住居)?
●運営者
医者か社会福祉法人か、それ以外か?
●管轄
厚生労働省か国土交通省か?


デイサービス
最近、特に開業件数が多いのがこれです。コンビニあとや、店舗付きマンションの一階部分によく開業されます。
一般に短期契約(2年程度)が多く、事業者が個人の場合もあります。物件の前に介護車の駐車ができることが賃貸の条件です。送迎、入浴、食事の通所介護をおこないます。


デイケア
通所リハビリをおこないます。事業者は病院、診療所、介護老人保険施設のいずれかになります。医療行為もおこないます。デイサービスと名前が似ていますが、全く別のものです。賃貸の場合、長期契約となります。


特別養護老人ホーム(特養)
身体や精神に障害があり、家庭での介護が困難な方が入所する施設です。入所者にとって生活の場であり、終の棲家となります。一般借地契約(50年以上)による契約で、医師が経営する場合が多いです。46万人の入居者に42万人の待機者がいると言われています。地主さんにとっては、大変有利な土地活用で、数年前まで当社も企画・提案を多く行っていましたが、市町村の負担が大きく近年ほとんど認可されていません。


介護老人保健施設 (老健)
マヒやケガの症状が安定した高齢者を原則3ヶ月を限度に受け入れ、リハビリを行う。家に帰すことを目的としている点が特養との違い。特養と同様に、最近はほとんど新規開業は認可されていません。


有料老人ホーム
健康型、住宅型、介護付きがあります。高額な権利金や住居保証金のタイプから低価格のものまであります。
最近は、介護保険を利用した住宅型や、介護付きのものが増えています。ワタミやベネッセなど異業種から参入した大手事業者や、介護事業のみの業者など多数あります。基本的に、一括借り上げ・固定賃料で、契約期間は20年~30年です。高齢者住まい法の改正により、「サービス付き高齢者向け住宅」の事業に、多くの事業者が進出しようとしています。


グループホーム
認知症高齢者型の施設。要介護認定が入所の条件となります。介護職員の過酷な勤務状況、虐待、安全対策が問題となるケースもあります。


ケアハウス
社会福祉法人が運営していましたが、平成14年から民間の参入も認められるようになりました。自立した高齢者を対象とするため、介護が必要となった時点で退去の必要があります。数的には、まだまだ少数。


高専賃、高優賃
国交省の管轄でしたが、2011年10月20日の高齢者住まい法の施行とともに廃止になりました。「サービス付き高齢者向け住宅」の基準を満たしていないものは、一般の賃貸住宅となります。


サービス付き高齢者向け住宅
高専賃の建物に有料老人ホームの介護サービスがプラスされ、厚労省、国交省の共同管轄となります。建築や事業者のサービス内容に、多くの基準が設けられ、審査を受けなければなりません。基準を満たした建物は、国の補助金を受けることができ、完成後は都道県に登録されます。地主さんは、自己資金で建物を建築し、事業者に20年程度の長期一括で賃貸することになります。



特養や老健の新規認可は、市町村の負担が限界で今後も見込めそうにありません。今後は、「サービス付き高齢者向け住宅」が主流となりますが、この制度もいつまで継続されるかは確証がありません。新規の建物の登録募集は、あと数年と言われています。2011年にできた制度が、もう少しで終了するかもしれないと考えなければならないほど、日本の高齢者向け住宅制度は不安定なものです。常に最新の情報を入手することが大切です。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe


2012年6月4日月曜日

ダート(未舗装路)求めて

昨日、久しぶりにMTB(マウンテンバイク)に乗りました。

奈良県の室生寺には、室生古道というダート(未舗装路)があるということで有名でした。

梅雨前に、ダートを走っておこうということで、MTBを引っ張り出したのですが・・・。

ダートはきれいに舗装されていました。



どう考えても、ダートよりアスファルトの方が快適です。

そんなことを言えば、自転車より自動車の方が快適です。

ところが、時々、無性にダートを走りたくなるのは、ひねくれているのかもしれません。



ということで、室生古道からさらに脇道の渓谷に入って、意地になってダートを走ってきました。




これからも、どんどん日本にダートが少なくなっていくことでしょう。

あと、数年もすれば日本に皆無なってしまうかもしれません。

この現象を悲しんでいるのは、ごく少数派だということは自覚しているのですが・・・。



居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年5月24日木曜日

開発行為


開発行為・・・土地の区画形質の変更

山や谷など、一見すると土地活用などできないような土地が、造成工事等によって一等地になることがあります。このような工事を開発行為といって、時間と費用がかかります。

先日、豊中市で大規模な開発行為がやっと終了しました。
開発行為前と後では、見違えるような景色です。
地主様、テナント様、周辺住民の皆様の協力がなければ完成しません。

開発前                   開発後



まさに「想像から創造への街創り」です。





居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年5月10日木曜日

連休はやっぱりサイクリング #2

連休の後半は丹後半島でサイクリング。
サイクリングには一人でいくことが多いのですが今回は7人で。



大阪教育大学体育会サイクリング部時代の仲間です。
私、以外は全員小中高校の先生です。
夜は、いつも教育論争で盛り上がります。
こんなに教育熱心な先生に教えてもらえる子供は幸せだ、と感心します。





それでは、前回の続きをお話します。


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 「こんなはずじゃなかった」と思わないために】

本書で私は
「地主さん、もっと、しっかりしてください」と
と、繰り返してきました。
いくつもの例を出し、言葉を変え、お伝えしたかったのは
「勘違いしては、いけません」
ということです。

本書では
成功する土地活用のための3つの原則で、その基本的な考え方を
事例といっしょにポイントを示すことで、
よい提案とはどんなものか、
付き合うべき相手は誰か、
どこに注意したら良いか、
などを具体的に明らかにしました。

建築会社から言われるまま、銀行から借金してマンションを建てたものの、入居者が集まらず、土地活用をはじめたことで持ち出しによる借金返済を背負ってしまった人や、土地を手放した地主さんを私は知っています。

良い土地活用とは、地主さんが借金をしないでできるもの。
良い土地活用とは、長期にわたり収入が安定するもの。

私が考える土地活用は、マンションやアパート、倉庫や店舗など建築物を建てたら終わりの商売ではありません。
地主さんと伴走するパートナーだと考えています。

こんな会社、ちょっとほかではありません。だから私がはじめたのです。

土地活用で、同じ方向を見ていっしょに走るのは、私だけではありません。
それはテナントです。
最後に、地主さんのパートナーとなるテナントについてお伝えします。

私は、この仕事を通じ、多くのテナントの経営者や担当者と会ってきました。
「みなさんに喜ばれる繁盛店にしたい」
厳しい競争の中で、勝ち残り、これからもきっと伸びていくだろうと私が感じる企業は徹底して顧客満足を考えています。

ここ数カ月の間、外食産業のベンチャー企業の若い経営者の方々に会う機会に恵まれました。現在は、数店舗の経営をし、何カ月のうちに出店を倍増し、さあ株式上場もと考える勢いのある人たちです。
まさに企業として伸び盛り。だからこそ企業の成長に資本が追いつかず、限られた資本だからこそ生きたお金の使い方をしたいと考えておいでです。
従来型の建築会社主導の店仲介は、預託金の額など、企業の体力で勝負が決まる仕組みです。
また、資本のあるテナントは、スクラップ&ビルドといって、契約満了前でも、より勝負できる場所に出ていきたがります。
「大手だから」と安心してテナントを決めた地主さんは、ガッカリです。
私は最近、スクラップ&ビルドで出ていったそのあとに、ベンチャー企業とのマッチングを、新しいシステムとして立ち上げました。
だれもはじめなかったから、まだないけれど、必要とされている仕組みづくりをすることは、私にとって喜びです。
リスクのない土地活用をしたい地主さん、大資本で勝ちに行く大手テナント、知恵と情報で生きた金を使うベンチャー企業。その誰もが「みなさんに喜ばれる繁盛店にしたい」
と願いながらも、結びつける方法がありませんでした。

私がやります。



-----

今回でこちらのお話は終わりになります。


田嶋



居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年5月7日月曜日

連休はやっぱりサイクリング #1

今年の連休は、9連休の会社が多かったようですが・・・。
当社はカレンダー通り、3連休と4連休。



私はというと連休はいつものようにサイクリング。
(これしかやることがないのか、という声を耳にしますが)

















連休前半は、姫路から赤穂まで。
久しぶりに瀬戸内海の島々を見てきました。







それでは、前回の続きをお話します。


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック! ここがポイントです。提案書・契約書の読み方】

契約書の見方

 建物賃貸借契約書は、仲介する会社が基本の文章を持ってきて、そこに個別事情を加え、合意すれば署名捺印、契約成立となります。この基本とする文章の中味は、会社によって随分異なるものです。また、契約書は見本があるとはいえ、お互いが納得できるようゼロからつくりあげるものだと考えていても良いものです。みんなこれでハンコを押しているから、だいじょうぶだろうでは、後々困るのは地主さんです。ここでは、賃貸マンションなど個人向けのものでなく、店舗用の例を見ながら代表的なチェックポイントをいくつかあげました。

(1)使用目的
 「店舗として使用するものとし、他の用途に供してはならないものとする」と書いてあるか確認を。こう書くことで居住権などの利権関係が発生するリスクをなくします。

(2)担保提供の禁止
 地主さんの禁止事項も確認しましょう。賃貸している土地に担保をつけてはダメとの条項は、地主の義務とも言えます。なかには、清掃義務など地主にあれもこれもと禁止事項が入っている場合もありますので、必ず確認を。

(3)賃貸借期間
 契約期間満了に伴う、更新拒絶の意思表示期間は6カ月前までを目安になるべく長い期間を確保しましょう。これは借り手が「契約更新はしません。もう出ます」と地主に書面で提出してから、実際に出るまでの期間です。この期間が短いと次の借り手が見つかるまでに賃貸収入がゼロの空白期間が生まれる危険が高まります。

(4)賃料改定の協議
 「賃料の額は、本物件の引渡し日の月から満3カ年据え置き、4年目に前月の賃料を基礎額として協議するものとし、以降も満3カ年経過毎に同様とします。
 前項にかかわらず、土地・建物の価格の急激な変化、公租公課の負担の大幅な増減・・・協議のうえ、賃料を改訂できるものとします。」
 これは概ね定型の文言です。「3年たったら貸している方と借りている方がこれから賃料をいくらにするか相談しましょう」ということです。上がることもあれば下がることもあります。バブルの頃は、この協議の機会に賃料を上げるケースが多かったのですが、最近では半分以上が賃下げ、現状維持が3割といったところです。契約書にこうあるにも関わらず店舗からも地主からも言い出さず協議しないケースも少なくありません。
 さらに「前項に関わらず」で始まる文言では、3年間の賃料保証もないことに気づくことでしょう。再び事業計画書を見てください。賃料はいくらで試算されていますか。賃料に関して地主ができる自己防衛は、自分の土地にあった繁盛する店を選ぶことです。

(5)敷金の返還
 賃貸マンション経営は敷き引きで儲ける、とかつて言われましたが、最近では、敷金の返還に関するトラブルが増えている現実があります。また店舗の場合はそもそも敷き引きを設定できないことになっています。損益計算試算表(キャッシュフロー)の利益計画に入っていないことを確認しましょう。

(6)維持修繕費の具体的な中味
 最初にキッチリ決めたいものです。後々トラブルの種にしないためには、頻繁に発生しそうな具体的な例を想定し、こうしましょうと、確認しておくことです。
 「維持修繕に関する費用は、借り手が負担。ただし主要構造物(柱、屋根、梁、外壁等)に関する維持修繕費は地主が負担するものとします。ただし、塗装等外観に関するものついては借り手が負担」といったように、文言にしておくといざ不具合が起きたとき、どちらが費用を出すかで揉める危険を減らすことができます。

(7)火災保険
 物件そのものは地主さんが、什器等は店舗が火災保険に入ることを義務として明言しておきましょう。時々、入りたくない、入っていないという地主さんや店舗がありますが、万一に備えての双方の義務です。

(8)借り手への禁止事項
 地主としてまったく許可できないこと。事前に書面による申し出があり地主が承諾したら許可するものを、区別しておきましょう。

(9)契約の解除
 地主が借り手に催告して契約解除できることと、催告なしで一方的に契約解除できるケースを区別します。加えて、解除した場合のペナルティを明文化しておくのが重要です。「敷金全額および建設協力金の残額を違約金として没収できるものとして・・・」とします。

(10)地主からの解除
 借りての店舗側だけなく、自分が中途解約できる方法も確認します。ちなみに相続税の物納は更地でないとできません。

(11)中途解約
 基本的に中途解約はできないものとします。では、中途で解約したい場合はどうするかを明文化しておきます。解約したい旨を6カ月前までに地主に書面で申し入れ、本契約を解約する場合、地主は敷金全額および建設協力金の残額を違約金として没収できるものとするのが重要です。
 いくら15年、20年と契約を結んでも、このペナルティがなければ15年、20年の意味はありません。地主にとっても最も重要な条文です。また、店舗側も、このハードルを越え、借りる計画性を持つことが重要でしょう。

(12)明け渡しおよび造作などの撤去
 たいへん重要な項目です。必ず発生し、しかもトラブルになりやすいからです。ポイントは「現状に復して」の意味が、次の入居者が即、使用できる状態にするのか。自然劣化は仕方ないのか。入居者がもちこんだものは撤退するのか、という点です。たとえば「造作物・設備・看板等を借りての店舗の費用で撤去するものとします」と記せばはっきりします。賃貸マンションの場合は、現状復帰の詳細を詳細に明らかにする傾向にあります。近年、社会的な問題となっており、貸し手側がきちんと確認したい項目です。


…さて、次回はいよいよ最終回。

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 終わりに:「こんなはずじゃなかった」と思わないために】

について、お話します。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年4月16日月曜日

琵琶湖疎水


「琵琶湖疎水」ってご存じですか?
琵琶湖の水を、京都で飲み水として利用するために作られた水路です。
こんなすごいものが、明治時代に作られたなんて驚きです。


昨日、大原の寂光院から「琵琶湖疎水」沿いに大津まで自転車で走ってきました。
「琵琶湖疎水」は、桜満開で花見をしている人で賑わっていました。




それでは、前回の続きをお話します。


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック! ここがポイントです。提案書・契約書の読み方】

損益計算試算表(キャッシュフロー)の見方

 提案書の核心はキャッシュフローです。営業マンの説明をひとおとり聞いて、独り眺めるその項目は、内部留保金でしょう。「毎月いくら手元に残るのか」「10年後はいくらなのだろう」「30年後は」とその数字を確認します。
 商談は、内部留保金、いわゆる手残り金の額で進みます。複数の会社が訪問してくる地主さんのもとには、数多くの提案書が損益計算試算表があることでしょう。
 見本のケースは初年度の手残り金は2719万円。月あたり226万円です。
「ひと月、あと50万円あれば、やってもいいのだが」そんな風におっしゃる地主さんもいらっしゃいます。
 商談中、ほとんど話題の中心になるにも関わらず、この損益計算試算表は、根拠が曖昧な場合や、営業的な意図で現実的でない場合が少なくありません。中でも賃貸マンション経営に関しては、希望的観測で気休め程度のモノもあります。損益計算試算表の信頼度の程を確認するガイドとして、いくつかのポイントをあげたので、ご自分でご確認する時に活用してください。
 仮に作成した見本は、先の提案書・事業計画書に添付された損益計算試算表です。


(1) 薔薇色の賃料収入
 毎年2%ずつ複利で30年間上昇。空室率は賃料1が30年間100%15年経過した居室が100%空室なしで、しかも当初月200万円だった賃料収入は毎年2%賃料を値上げをした結果、263万円となっています。
 あなたは、この数字をありえるものとして受け入れられますか。ひとつの目安ですが、入居率60%、10年以降は50%で設定しているものもあります。退出後、すぐ入居者が決まらず空室の時もありますし、入居していても滞納で回収できない場合もあります。
 高い入居率から算出した手残り金額をあなたは信じられますか。
(2) 創業費の5年分割
 建築後およそ1年間に現金で支払うはずの創業費が5年に分割されています。この表で見ると、初年度の内部留保金を大きく見せるための営業マンの工夫であることが、よくわかります。
(3) 税引後利益の表示
 所得税の計算をまったくしていないにも関わらず税引後利益という名称なので、充分な説明がない場合や、あるいは説明後に地主さんが自分で書類を見る際、誤解を招きかねません。
(4) 建設協力金の据え置き期間
 商談のポイントとなる初年度の内部留保金を大きく見せるため、据え置き期間が設定されていることがあります。現実には、据え置きすることはめずらしく、仮に据え置き期間を設定しても、地主さんがテナントに返済する総額に違いが出てくるわけではありません。
(5) 内部留保金累計項目の設定
 内部留保金を累計することに、どんな意味があるのでしょうか。貯められるわけでもないのに、地主さんにとって、意味はありません。
 営業マンが「建築費に3億円かけても、この試算では12年目には内部留保金が3億円を越します」と説明できます。「この試算では」という点がポイントで「必ず現実になるものではない」と言いつつも「3億円かけてもだいじょうぶ」という気分にさせます。表では、30年後の内部留保金累計は9億円を越しています。累計する意味のない数字でも見せられれば、心に残ります。
 また、セールストークでよく使われるのが「平均内部留保金」です。30年間の内部留保金の合計を年度で割ったものです。これもまったく意味のないものです。平均することのメリットは、例えば見本のケースなら返済が終わったあとの16年から30年の手残り額の良い時期を加えることで、当初の数字をよく見せるためです。
 建築会社やハウスメーカーはプロですから、あの手この手と考えてきます。よく見せるための悪意を感じるものも多々あります。
 そもそも建築会社が、地主さんにこのような提案をすることが間違いだと私は思っています。建築会社は良い建物をより適正な価格で実現するところに事業の本分があるのではないでしょうか。建物のプランや仕様でなく、手残り金に終始する提案こそに問題があるのです。


…さて、次回は

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック! ここがポイントです。提案書・契約書の読み方】

契約書の見方

について、お話します。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年4月11日水曜日

お花見マラソン

お花見マラソン
ようやく春らしい気候になってきました。
先日の日曜日、芦屋国際ファンランが開催されました。
ポカポカ陽気の中、花見をしながら、ゆっくりと10㎞を走ってきました。


 
 
走っている人より、花見をしている人の方が多い!?






それでは、前回の続きをお話します。

 

 

- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック! ここがポイントです。提案書・契約 書の読み方】
 

●提案書・事業計画書の見方

 

 建築会社や住宅メーカーの営業マンが地主さんへの説明のために作成する書類には、提案書、経営試算書、事業計画書などがあります。会社によって名称は異なりますが、どの会社も基本のフォーマットがパソコンにあり、いくつかの項目を入力すれば、地主さんに提案できる書類ができるように整っています。

 数字がたくさん載っており、見慣れていないと目がチカチカする書類ですが、たいていの場合、営業マンが地主さんに見せたいところは1カ所なので、全体の説明をこと細かにすることは少ないでしょう。

「つまりですね、重要なのはここです」と言いながら内部留保金の項目を指します。毎月の賃料かはわかっているが、そこから必要経費が出て行きます。では、いったい手元にはいくら残るのでしょうか。そこが地主さんが一番気になるところで、営業マンもそれがわかっています。双方そこが知りたいのなら、最初からその説明だけで良いのではないか、そう思われる方もいらっしゃいますね。

 それがふしぎなことにパソコン上で、入力の数字を操作することで、地主さんが最も気にする月あたりの手残り金額を減らしたり増やしたりは、いとも簡単なのです。

 

 

 前提条件を吟味せずに結果だけで判断すること。地主さんにとってこれほど不確実なことはありません。営業マンの思うつぼです。では、なぜこんな商習慣がまかり通るのでしょうか。詐欺ではないかと思う方もいるかもしれませんね。建築会社や住宅メーカーが作成した提案書類には「参考として頂く為に作成したもので・・・(中略)・・・最終の収支については、再度、税理士、公認会計士などの専門家にご確認頂きますようお願い申し上げます」と堂々と責任の放棄をしているのです。

 そんなあやふやなものを、より確かなものにするために、ここでは仮に作った標準的な提案書をもとに、地主さんが、ぜひ確認したい重要なポイントをいくつか上げました。

 

 見本をごらん下さい。

 千坪の敷地に、建坪500坪の鉄筋コンクリート造りの5階建て建造物。1階が店舗、2階から5階が住戸の賃貸マンションを提案しています。建築費は3億円。賃料収入は毎月300万円です。
 

 

 
 

(1)   賃料アップ率毎年2%疑問

 初年度年間賃料2400万円/年(200円/月)が毎年2%アップで30年後には4262万/年(355万円/月)に。15年後でさえ3166万7千円/年(263万円/月)。30年後、老朽化したマンションから倍近くの賃料収入があることになっています。

 良心的なソフトなら、当初5年間は2%、6年目から30年目まで上がらない、と言うような設定になっているべきなのですが、ソフト自体がそんな設定をできない場合が多いようです。

 
(2)  
 
保証金の据え置き期間と返済期間、賃貸契約期間は連動していますか

 テナント部分の保証金は、一般に建設協力金と呼ばれるものです。テナントさんからあずかり、地主さんがテナントさんに返済します。

 例は2年間据え置き、8年間均等返済とありますが疑問です。現実には、契約期間内に均等返済が原則になっています。賃貸契約が15年なので据え置き0年、15年均等返済が妥当です。

 では、なぜこのようになっているのか。据え置き期間を作ると、その間の手残り金額が大きく見えるからです。また、返済期間が短いと地主が不利になることもお忘れなく。例では10年で建設協力金は返しきったのに、賃貸契約は残っているわけですから。建築協力金の返済が終わった11年目からは、店舗側にとって、いつ退出しても損はなし、と考えます。

(3)   想定金利4%の疑問、借入期間と賃貸契約期間は連動していますか

 次に資金計画の借入金の想定金利ですが、4%で固定ですね。この数字を2%にすると収支をすぐ良くなります。変動金利が実体なのに、ソフトは固定金利にしか対応していない。それがふしぎですね。

 借入期間と賃貸期間が同じになっているのかも、要注意です。「10年契約でテナントは出ましたが、15年返済で借金は残っています」そんな提案書になっていませんか。

(4)   敷金を「ただし、建築費に充当すると仮定する」の疑問

「1戸あたり100万円の敷金として20戸で合計2千万円。建築費のうちの2千万円はこれでまかなえます」あたかも現実にありえる気がしますが、敷金をあてにすると後々持ち出しになります。敷金は入居者の退出時に修繕費用を差し引き返還します。最近ではこの敷金の返金をめぐり入居者と大家さんで合意を得られないこともあり、問題となっています。返済不要の建築費として計上するのは、もちろん無謀。退出時の修繕費用も大家の手残りから捻出する理屈となり、とても良心的な提案書とは言えません。

(5)「仮定をもとにした計算したものもあります」の現実

 どこが仮定なのか、どの程度の金額が現実と異なるのかを聞くのも良いでしょう。

 

(6)   土地評価額の続税評価額・固定試算評価額の上昇率は年1%。永久に上昇するのかという疑問

 土地活用は相続税対策でそのメリットを語られることが多いもの。永久に複利で年1%上昇する仮定そのものが疑問です。

(7)   建物評価額の建物評価額60%の疑問             

 例では60%になっていますが、70から80%が妥当な数字です。この数字の意味は、「市役所の単価表をもとに計算した建築費は、見積り額の6割である」です。税金が安くて得したと思いましたか。視点を変えれば、建築会社の利益がたっぷりとのった見積り金額だと言えます。

(8)   維持管理費、委託管理費の計上金額の確認

ここは確実に支出となる項目なので、現実的な数字かどうかを確認します。特に賃貸マンションの場合は、実際にその計上予算で可能なのかを調べたいものです。

 
 
 

(9)開発負担金が0円。無料だから0円でなく、不明だから0円の不親切

 提案書作成の基本姿勢は、「わからないものはわからないのだからとりあえずで計上しておく」という場合が多いものです。「かからない」のでなく、「わからない」から0円なのです。これが1万円、2万円のことなら可愛いものですが、場合によっては500万円から600万円かかることを知っておきましょう。

(10)創業費償却5年は非現実的。実際は1年で払います

 見本の場合、創業費合計は740万円となっています。この金額には開発負担金は含まれてないことは先の説明でわかりましたよね。この費用、実際には、建物が建った最初の1年に、しかも現金で支払う必要のあるものです。税金や役所に払う費用なので建設会社に支払う建築費とは別のもの。つまり740万円に加え何100万円かわからない開発負担金を確実に現金で用意しなくてはならないということです。建築費以外にまとまった現金が必要なのです。

 この提案書に私が憤りを感じるのは、創業費に償却期間を設定できるように作られていることです。見本は5年で設定していますね。実際には初年度に必要な金額を計算上5年償却にする理由はどこにあるのでしょうか。

 その理由は、分割することで、初年度の手残り金を多く見せるためです。

(11)入居率100%、90%の疑問

 再重要ポイントがここです。入居率の設定次第でキャッシュフローは大きく変わります。見本の提案書は、非現実的な数字が入っていますね。しかも固定なので、賃料1に該当する部屋は30年間空室はなしの仮定で、この提案書が作成されているのです。

 創業費償却に年度設定をする手間があるのなら、最初の3年間とそれ以降の空室率を設定し直せる工夫があっていいのではないでしょうか。

(12)所得税・住民税を計算しない悪意

 これもわからないものは0円というルールです。「他に収入があるかもしれないので当方では計算できないので、算出しません」という姿勢です。所得税も住民税も当然、請求があります。こんな風に項目があり、しかも計算しませんとわざわざ書くことに、どんな意味があるのでしょうか。ちなみに、見本のケースでは所得税も住民税も最高税率になります。営業マンが一生懸命説明する手残り金額から、所得税と住民税が支払う前の金額であることをお忘れなく。

(13)その他の不動産所得0円。聞かなければ0円と計上の姿勢

 もうお分かりですね。項目を作り0円と書かれた項目を見て、「ここは持ち出しがないのだ」と思うのでなく「手残り金額からこの分を引いた分」とましょう。

 さあ、次が本番、いちばん気になるキャッシュフローの見方です。

 

 

…さて、次回は

 

- 子孫に土地を残す3つの原則 -
3つの原則でチェック! ここがポイントです。提案書・契約書の読み方】


●損益計算試算表(キャッシュフロー)の見方

 

について、お話します。

 


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe



2012年3月21日水曜日

大阪サイクルツアー


日曜日、日本最大の サイクルイベント「大阪サイクルツアー」に参加しました。
大阪湾の人工島を巡るコースですが、全体で30kmと短かったので、少し欲求不満。


しかし、参加者5000人ということで、最近のサイクリングブームは、すごいです。
夢咲トンネル、夢舞大橋、なにわの海の時空館、大阪市環境局など普通じゃ行かない立派な無駄な施設めぐりコースでした。

これも橋下市長の戦略でしょうか?




それでは、前回の続きをお話します。


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

大家の思慮のなさで自滅! 食い合いをした飲食店

 数字は経営の基本ですが、数字だけを見ていては、経営は決して成功しません。
 千坪ほどの広い土地をお持ちの地主さんでした。その土地に複数の店舗を誘致しましょうというご提案をさせていただいたことがあります。

 敷地内に異なる店舗があれば、駐車場に停めた車を移動させることなく、ついでの買い物ができお客さんは便利なものです。たとえば、スーパーマーケットでお肉や野菜を買った後、隣にドラッグストアがあれば、洗剤や化粧品、ああ薬も、と思い出し、ここでついでに買っておこうかという気分になるもの。これが相乗効果です。
 何でも複数あれば便利かというと、この組み合わせがけっこう難しいのです。ラーメン店の隣に牛丼店を並べてはダメなことは、みなさんお分かりになりますよね。お客の取り合いになり、両方の店長さんにとっておもしろい組み合わせではありません。

 テナント側も出店前にマーテティング調査したうえでの経営判断で出店するのですが、時々、おやっと思う店舗の組み合わせを見かけることがあります。その背景には、個別の事情が隠れているのですが。

 話を千坪の敷地を持つ地主さんに戻しましょう。
 ご希望の賃料は、月200万円でした。この敷地には、AとBの2店舗と契約がまとまり、月180万円の賃料が見込めました。しかし、地主さんのご希望の賃料には、あと20万円足りません。
 AとBはともに外食チェーンのレストランで、ひとつは和食、もうひとつは洋食中心の店舗でした。和食のあとに洋食というお客の流れはできないものの、今度はあちらのお店に行ってみようと、リピート客に選択の幅を広げる点など、組み合わせの妙としては悪いものではありません。
 千坪の敷地にAとBの店舗。残り20万円の賃料を新たな3つ目の店舗を建てることでまかなうとすると、駐車場が充分にはとれない危惧がありました。利用するお客様にとっても、お客さまをお迎えする店舗の経営者にとっても、車を出し入れしやすく、食事時間のピークでもすぐに満車にはならない、ゆったりとした駐車場は嬉しいものです。行きたいと思うお客様も、「駐車場が狭いから車を止めるのがたいへんかも」という経験や気持ちから足が遠のくもの。駐車場のとり方は、繁盛する郊外型店舗のポイントです。

 さて、地主さんは、どうされたかというと、毎月20万円の賃料を払える3つ目の店舗を見つけてこられました。それはラーメン屋さんでした。
 千坪の更地は、和食、洋食、ラーメンの店舗が並び、さながら郊外のフードパークとなりました。さて、お客様に選択肢が広がったのでしょうか。先の2店舗の経営者や店長は、ラーメン屋の出店を歓迎したでしょうか。
 洋食のあとにラーメンも、和食のあとにラーメンも、その逆もありません。一緒に組めるメリットがないばかりか、客単価の安いラーメン屋に客をとられる危険もあります。3つの店舗で客のとりあい。ラーメン屋の店舗は大きなものではありませんが、駐車場はせまくなり、しかも食事のピーク時は一緒です。

3つの原則(3)繁盛する店を選ぶ、は地主にとって都合の良い店のことではありません。

 出店していただく店舗が繁盛し、安定した経営で長期にわたり賃料を確実に払っていただくことで、地主さん自身の経営は安定します。店舗が繁盛するということは、そこに暮らす方に喜んでいただける店づくりをすることです。スーパーの横にドラッグストアを置く組み合わせのように「ここができて便利になったわ」と思っていただける店づくりです。
 月20万円のためにラーメン屋を加えた地主さんは、先に決まっていた他の2店の経営者から信頼に足り得るパートナーと思っていただけるでしょうか。貸して商売させてやっている気持ちでは、決してうまく行きません。

 実は私は、出店をお手伝いするテナントさんの業種を決めています。それは、たとえば年配の地主さんがお孫さんに自慢できるお店です。自慢までしなくても、説明できない、できたら隠しておきたいと思う業種はお手伝いしません。
 単なる数字の操作で、経営を考えては失敗します。世のため、人のため、と昔の人は言いましたが、語り継がれる言葉には、教えられることがあります。


…さて、次回は

- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック! ここがポイントです。提案書・契約書の読み方】

●提案書・事業計画書の見方

について、お話します。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe



2012年2月28日火曜日

太宰府天満宮のスタバ


博多出張のついでに、レンタサイクルで太宰府天満宮まで行ってきました。
受験シーズンということもあって太宰府に参拝客の多さにびっくり。

もう一つ驚いたことは、スターバックスの店舗です。
周辺の環境に合わせた店舗デザインに感動しました。
さすがスタバ。




それでは、前回の続きをお話します。


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

外商部かディスカウントストアか? バブル期の選択

 バブル景気のまっただ中に、現在の長引く不況を誰が予想できたでしょう。
 当時、会社員だった私は、毎週末、ある分譲マンションの抽選会に足を運んでいました。大手建築会社勤務とはいえ、20代後半でしたから、法外な給与をもらっていたわけではありません。それが、今、考えると、「当時の私は、いったい本当にそれが返済できると思っていたのだろうか」、とふしぎに思える資金計画のマンションを購入しようとしていたのです。毎月返済に加えボーナス払いもたっぷり。しかも「ゆとり返済」や「ステップ償還」と言われる年齢とともに返済額が大きくなるプランです。幸か不幸か、抽選には当たらず、その憧れの分譲マンションを買うチャンスはありませんでした。
 最近では、分譲マンションの価格そのものが下がり、住宅ローンの返済にボーナスをあてるのは非現実と、毎月払いだけでシミュレーションを組む方が多いようです。「ゆとり返済」の住宅金融公庫は、今では長期固定金利の「ステップ35」を発売しています。
 このように、ほんの10年、15年の違いで、不動産の価値が大きく変わった時代に私たちは生きています。

 好況の時代に、地主さんに「どんなテナントさんが、ご希望ですか」とおたずねすると、たいていは一部上場の良く名前の知れた会社を望まれました。なかでも当時は、百貨店の外商部の出先が郊外の各所に作られ、地主さんが自分の土地に来て欲しい人気のテナントのひとつとなっていました。
 豪華でしゃれた建物には、洗練された商品が並び、高級国産車や外車で奥様がお買い物。確かに、そんな風景が特別ではなかった時代がありました。
 結果は、ご存知のようにすべて撤退。なにしろ、最近では1等地の本店を閉める百貨店があるほどなのですから。

 一方、当時、地主さんが見向きもしなかったのがディスカウント・ストアです。まるで倉庫のような建物。素っ気ないスチールの商品棚に、段ボールを開けて陳列しただけの展示。たとえ全国チェーンで展開している優良企業でも、浮かれた気分のバブルの時代には、なんとなく、しっくりこなかったようで、喜ばれはしませんでした。

 百貨店の外商部とディスカウントストアをくらべると、建築費は確実に百貨店の方が多くかかります。中途で撤退した場合の建築協力金の放棄などペナルティを課していない場合や、協力金の他に地主さんが銀行から借金をして建築費にあてていた場合は、店舗が出て行ったあと地主さんに残るのは、ゴージャスな内装がネックとなり他の業種に使いにくい建物と、高くついた建築費の借金でした。
 ディスカウントストアを選ばれた地主さんは、テナントさんが中途で解約はされませんでしたが、仮に中途撤退したとしても、倉庫のような建物なので建築費は百貨店の外商部とくらべれば安いものです。たとえ傷ついたとしても浅かった、と言えましょう。

 だから、ディカウント・ストアはいいですよ、とおすすめしたいわけではありません。
 百貨店の外商部と賃貸契約をする時にまでさかのぼったとします。果たして、この撤退を、地主さんは、予測できたでしょうか。私も含め仲介業者は予測できたでしょうか。
 答はノーです。
 また、これからの10年を、20年先を、誰が正確に予測できるでしょう。
 やはり、答はノーです。

 肝心なのは、たとえどんな時代になったとしても、乗り越えられる最悪を考え対策をとることです。もっと端的に言えば、10年、20年先のお金の動きを契約書で把握することです。どんな商売でも、どんな時代でも、たとえ中途撤退に耐えられる状況を守ることが肝心です。
 
3つの原則(2)責任を分け合う、は自己防衛手段です。

 百貨店の外商部と契約した地主さんは、時代の気分もあり、中途撤退時の建設協力金の放棄を条件として確保できなかったのが、敗因です。元々高い建築費、転用しにくい特殊な建物、これもアダになりました。

 今は流行の業種でも将来しぼむこともあります。同じ商圏にライバル店が出店することもあるでしょう。時代の風潮や景気だけでなく、複雑な要素が、出店したテナントの経営を左右します。最近では、狂牛病騒ぎで焼肉屋さんが大打撃を受けたという出来事が思い起こされます。
 店舗の場合は、マーケティングは店舗側の専門家が行ない、勝算ありと考えるから出店するのです。それでも、確実な未来は誰にもわかりません。地主さんができることは、数字の流れを掴み、最悪の状況乗り切れる確信をもてる条件で契約することとなります。


…さて、次回は

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

大家の思慮のなさで自滅! 食い合いをした飲食店


について、お話します。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年2月8日水曜日

大和高田市立陵西小学校


最近は、奈良県で仕事をする機会が多いのです。
奈良県は、私の出身地なので、暇を見つけては母校を見学しています。
畝傍高校、高田中学と訪ねて、今回は陵西小学校を訪ねました。

「陵西」と書いて「おかにし」と読みます。

校舎も職員室も体育館も昔のままでした。

大きいと思っていた校舎も、今見ると、小さく感じました。



それでは、前回の続きをお話します。


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

テナントの中途解約の決断。 そのとき大家さんは

 情報の早さが勝負の鍵となる時代です。
「もっと早く相談してくれればよかった」
「もっと早く声をかければよかった」
「時間さえあればほかにやりようがあったのに」と人は後悔します。

 貸し手が店舗であれ、マンンションの入居者であれ、まったく無関心でいることは、大家さんにとって得策ではありません。
 お店なら、繁盛しているかどうか。マンションなら、入居者が不便や不満に思っていることはないだろうか。これが、撤退や入居率激減などの危機を種のうちから摘み取るコツになります。
 そこまで理想的な大家さんにならなくても、テナントや入居者と話せる関係を作っておくと良いでしょう。難しいことではありません。顔をあわせ挨拶するだけで良いのです。
 大事なのは、入居者やテナントに新たな要望ができたときや、事情が変わったときなどに、気軽に大家さんに言える関係を持つことです。
 顔を見たこともない大家さんには、決論の報告だけかもしれません。それがたいした問題でなければ良いのですが・・・。

 私が出店をお手伝いしたドラックストアが、新築開業後7年を経過したころ、「どうにも売上が伸びないので途中解約をしたい」と私に相談されてこられました。
 テナントは、自分用の建物を建ててくれた地主に迷惑をかけたくないので、せめて、自分の次の後継テナントを地主さんに紹介したいと考えておいででした。
 それは大家さんにとっても願ってもないことです。違約金というペナルティを払ったからとさっさと撤退されては、空になった建物を残された大家さんは、新たなテナントを探さなくてはなりません。
「よくぞ、早めに声をかけてくれた」という思いです。
 建築してまだ7年。充分に使える建物です。これを活かした後続テナントを探すことが大家さんのご希望でした。
 それは、また、テナントの希望とも一致します。

 実際、新しい店舗を探したのは、私です。最初のご縁を結んだ私に、両者からご相談がありました。
 実はテナントの後継探しは、特別な配慮が必要な仕事です。
 テナントは、同業他社に、事前に撤退情報を漏らしたくないからです。従業員にも、次のテナントが決まるまで、撤退を検討していることを知られたくありません。そして、お客様には、セールの日に撤退することをお知らせしたい。
 つまり、情報を公開せずに、次のテナントを探して欲しいというご依頼なのです。

 ほどなくして、後継テナントを決めることができました。大家さんは、後継テナントが決まって一安心。地主、退店テナント、出店テナントがすべて満足される結果となりました。
 多くのテナントと話していて気づいたのは、実は、出店を検討しているテナントは、すでに公開されている陳腐化した不動産情報より、このような極秘情報を望んでいることです。
 更地に自社仕様の建築を新たにし、どんどん出店していくテナントがある一方、既存の建物を上手に使いローコストで出店を果たしていくテナントさんも少なくありません。
 あなたのお住まいの近くでも、郊外型の古本店やインターネットカフェができていませんか。そこは、かつて紳士服店やメガネ店だったかもしれませんね。

 店舗を建てるときに、地主さんは、借金というリスクに悩まれます。
 そこで、私は、借入金のない土地活用を提案してきました。
 それでも、地主さんは、中途撤退が心配なのです。
 理由は、中古店舗の流通市場がないからです。
 違約金を払って撤退では、負債はなくとも、もはや土地活用ではありません。建物が朽ち果てる間、次のテナントが決まらなければ、そこはお金を生み出さないばかりか、地域にとっても喜ばしい場所ではないでしょう。
 この仕事をはじめ、中古店舗の流通市場づくりが必要なことに気づき、私自身が先人となって取り組んでいます。
 今、店舗の流通市場はとても閉鎖的で、中古に関してはまったく市場としてはこれからという状況です。よく企業が、スクラップビルドをいう言葉を使いますが、中古店舗の流通市場が充実すれば、新規店舗の流通市場も充実します。これはリスクを考える地主さんにとってだけでなく、実はテナントが望むことでもあるのです。


…さて、次回は

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

外商部かディスカウントストアか? バブル期の選択

について、お話します。


居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年2月2日木曜日

ロイ


満十二歳のミニチュアダックス(男)を飼っています。
なぜだか、あまり世話をしない私にだけ大変よくなついています。
毎日、家に帰ると、私から離れません。
風呂やトイレの時も、ずっと前で待っています。
もちろん、寝るときは同じ布団で寝ています。

そんな「ロイ」が年末から体調が悪くなり、一時はもうダメかと覚悟しましたが、見事、無事に回復しました!



それでは、前回の続きをお話します。

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

開業後、試練の逆風が! 大家の提案で繁盛店へ復活

「貸してやってる」という大家気分は、今や時代遅れです。
 マンションであれ、店舗であれ、倉庫であれ、「いっしょに地域の人々に喜んでもらえる場所にしよう」という気持ちが、成功する土地活用には実は、とても重要なのです。

「デフレスパイラルで自分のことで精一杯。とてもほかの面倒までは・・・」そんな考えが成功する土地活用からあなたを遠ざけていると言ったら信じられますか。
 これからお伝えするのは、私が土地活用をお手伝いした方の実例です。

 地主さんの土地活用のご要望をお聞きし、地域の特徴、その土地の性格を調査の上、選んだ方法は郊外型焼肉店の誘致でした。ファミリー対象の気軽な雰囲気が特徴のそのお店は、想像通り来店の多い繁盛店となり、大家さんもテナントさんも、良いスタートが切れたとお思いでした。

 状況が変わったのは、オープンしてから2年ほどたってからのこと。
 新聞に狂牛病という言葉がはじめて登場したとき、地主さんは、まだ深刻には感じていませんでした。しかし海を越えた遠い国の話題にすぎなかったイギリスの不思議な病気は、瞬く間に世界中の問題となり、日本でも狂牛病に関するニュースが毎日取り上げられるようになりました。このあたりは、みなさんご承知の通りでしょう。連日のニュースに、さすがに大家さんも、自分の敷地に建つ焼肉店の経営に差し障りがないだろうかと、不安に思う気持ちが強まっていったそうです。
 そのころ焼肉店のオーナーは、やはり狂牛病問題による売上の激減に対応すべく、メニュー開発などあらゆる努力をしておられたと、あとから聞きました。しかし、不運は続くものです。実は、経営のダメ押しは、飲酒運転の規制強化だったそうです。長引く不況では消費に用心になっているところに、外食の気分を削ぐのに充分だったようで、多くの外食産業がこの時期、売上を減らしています。

 大家さんも、消費者のひとり。そんな気分は、ご自分でも充分に感じておられました。それで以前にも増して、焼肉店に足が向くことが増えました。週に1度は店に赴き、ご自身の目で客足が減っているのを確認していました。

 私がお世話する賃貸契約には3年毎に協議の上、賃料更新をすると契約書に印し、実際に協議の場を設けています。
 実はこの一文はバブルの好景気の時に、定期的に賃料を上げることを目的に盛り込まれたことが多く、それが今でも継続しています。この不況に、賃料の値上げ交渉などほとんどなく、契約にはあるものの、大家さんもテナントどちらも口火を切らずそのまま、ということが多く見られます。
 わざわざ会って、賃料を上げろ、下げろとややこしいことにならないだろうか不安に思い、両者ともなかなか言い出しにくいようです。
 この協議を、私は、私自身の、そして私の会社の方針として、私どもが両者にお声をかけ、その場を設定し、それぞれのご希望をお聞きし、整理するお手伝いをしています。

 私が間に入り、お2人の日程を調整して、その日が来ました。
 その場で大家さんが「今、この時期に値上げを要求するのは筋違い。むしろ、狂牛病問題が解決するまで、賃料を下げましょう」と提案されたのです。
 テナントから要望されてのことでなく、ご自分から言い出されたのです。毎週、店に足を運び、大家さんなりに考え抜いた提案でした。
 テナントは、この大家さんの協力のもと危機を乗り切り、やがて売上も回復しました。そこで、今度は、テナントから大家さんに「賃料を元に戻します」と提案がありました。
 風評騒ぎや規制による一時的な打撃は、経営者にとっては不運の嵐のようなもので、通り過ぎるまでいかに耐えられるかが生き残りの鍵となるのではないでしょうか。そんなとき、この大家さんのように提案ができるのは、「店舗をよく知る目」を持っているからこそ可能となったのです。
 さらに最も重要なのが、必要な時に手を取り合える良好な関係づくりです。
 目先の欲にとらわれることなく、また、テナントの危機に無力で目をつぶることなく、繁盛店にする努力をされたことが、長期で見れば成功する土地活用の判断をできた理由になっています。
3つの原則(3)繁盛店を作る、の意味は、ここに生きています。
 焼肉店だけでなく、どんな店舗であれ、マンションであれ、倉庫であれ、テナントをよく知ることは必要不可欠。成功する土地活用は、契約がゴールではありません。
 また、この、良好な貸し手、借り手の関係を保つお手伝いをするのが、仲介者の仕事であると、私は信じています。


…さて、次回は

- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

テナントの中途解約の決断。 そのとき大家さんは


について、お話します。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe

2012年1月10日火曜日

竹田城


明けましておめでとうございます。

兵庫県に、日本のマチュピチュ、と呼ばれるところがあるのをご存じですか?

兵庫県朝来市和田山町にある「竹田城」がそれです。



年末の29日。自宅から自転車で行ってきました。
兵庫県内に、このようなところがあるなんて驚きです。
感想は「寒い」



それでは、前回の続きをお話します。


【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則で48.3%の建築投資利回り】

●「ありがとう」と地域の人に感謝される街に

「便利になりましたよ。店の灯りで通りが明るくなり、防犯にもいいですね」
 コンビニエンスストアと最近、賃貸契約をした地主さんは、近所の方にそう言われ、とてもうれしく思ったそうです。
 契約していたスーパーが中途撤退してしまった地主さんは、シャッターの閉まった店の前を通る度、寂しい気持ちだったのですが、新しく写真スタジオと賃貸契約をしました。
「お宮参りに七五三、成人式などおめでたい行事に、みなさんが記念にと足を運ばれるおめでたい場所になりました。実は、私も、孫の成長の節目毎に、記念写真を撮るようになりました」とうれしそうにその心境をお話になられました。
 また、「撮影の予約をしたら、前日に予約確認の電話があり、心遣いのある対応に感心しました」とも、契約した店舗さんの経営姿勢にも関心を寄せ、間違いなかったことに満足していらっしゃいます。
 先祖からその場所に土地を持つ地主さんは、その地域社会に深く関わって生きておいでの方が少なくありません。きっとあなたもそうだと思います。
 だからこそ、敢えて言葉にはなさいませんが、賃料を払ってくれさえすれば、どんな店舗でも良い、とはみなさん考えてはおられません。
「地域のためになる店がいい」
 実は、この考えは、上手な土地活用のために大切なことなのです。
 成功する土地活用のポイントのいちばんは、地主さんが借金をしないこと。
 次に、入ってくる人に出て行かないペナルティを課せる契約であること。
 それに、人気があることです。地域のためになる店選びですね。
 アパートやマンションなら、借金が少なく、人気があり、入居者の空きが少なく、次の入居者が待っているのがベストです。しかし、マンションの場合は現実ありえません。店舗の場合は可能で、人気があることは繁盛することです。
「どんなお店が良いですか」と聞くと、地主さんは「家賃が良ければイイです」と、とおっしゃいます。私は「繁盛する店がイイですよ」とアドバイスします。繁盛すれば家賃の下げも少ないですから。賃料や手残りで計算するよりも、実際その店が流行るのか流行らないのか、これは難しいのですが、地主さんも興味を持つことが大切です。
 その土地にどんな店が良いのか、マンションならワンルームかファミリーなのか、それを考えるのは地主さんのあなたの仕事です。
 なぜなら、提案してくる建設会社は、ファミリータイプが得意ならファミリータイプを、シングル向けマンションが得意ならシングル向けを提案してきます。店舗ならいちばん賃料を高く言ってきた会社を選んで薦めます。賃料が高ければ店舗の建設費も高く見積もれるからです。その土地にあうかどうかについては、建設会社はアドバイスをしても責任は持ちません。
 建設会社はそこに儲けがあるとしても、地域貢献の視点のない提案は無責任だと、常々私は思います。
 本来その土地に向いていないような提案はしない方がいいのです。しかし、営業マンはそれが難しいのですね。だから地主さんも自分に向いてないと思うなら、やめる選択があることを知らなくてはなりません。
 建設会社は建てたいのだな。
 銀行さんは融資をつけたいのだな。
 そう、はっきりと見抜く力が必要です。
 最低限の守りは、ご自分の土地を冷静に見ることです。
 しかし、これが難しい。何に向いているかを判断するのはほんとうに難しいことです。テナントだったら消費者の気持ちに、マンションだったら入居者の気持ちになって見るのですが、自分の土地はよく見えるものです。
 地主さんは、たいていは坪いくらという表現をされます。
「隣のあそこの土地が坪いくらで貸しているから、うちもいくらで」とおっしゃる。
相場観ですね。賃貸店舗だと坪いくらかはまったく関係なく、売上予測をし、売上の何%を賃料にという計算です。地主さんの坪いくらと発想では50坪増えたら賃料増える感覚ですが、店舗側としてはその50坪が売上に関係なければ賃料に反映されない土地となります。
 だからこそ、繁盛する店がポイントなのです。
 実は積極的に出店している店舗のいくつかは、出店のためのひじょうに綿密な分析をしています。どこに出店するかは、経営を左右する重要要素です。
 そのエリアには、すでにどんなお店がどこにあり、交通量はどれだけあり、人口や世帯数も調べ、そこに出店した場合の売上予測をたてます。
 建設会社の思惑でなく、店舗側の要望をダイレクトに地主さんに伝えられる仕組みが、まだまだ少ないことを、私はとても残念に思います。店舗側の結論が、地元で暮らす地主さんの直感と同じことが多いだけに、残念でなりません。


…さて、次回は

【- 子孫に土地を残す3つの原則 -
 3つの原則でチェック 土地活用成功と失敗の事例】

●開業後、試練の逆風が! 大家の提案で繁盛店へ復活

について、お話します。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe