2014年3月17日月曜日

居抜き店舗のre TENPO

 
 TENPO beでは、re TENPO(リテンポ)という
居抜き店舗・造作譲渡を専門に取り扱うブランドがあります。

 時々、新築店舗を専門に取り扱う建築会社や不動産業者から、
「居抜き店舗は儲からないでしょう?」という質問をされることがあります。

 逆に、地主さんに土地活用で新築店舗の提案の際、よく
「このテナントが出て行ったあとは、この店舗はどうなるの?」
と質問されます。

 当社がre TENPOを立ち上げるきっかけは、そのような地主さんの
心配に答えるためでもあり、少しでもコストを抑えて出店したいという
テナントの要望に応えるためです。

 というわけで、先日もファミリーレストランの居抜き店舗から、
郊外型焼き鳥店にリニューアルしました。建物オーナーにも、
テナント様にも大変喜んでいただきました。


 内装や厨房、テーブル、トイレも以前のテナントのものを利用しています。


それでは、前回の続きをお話しします。

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【-想像から創造への街創り-
       新しいしくみを創ろう】

 私は土地オーナーとテナントの両方を見てきて、今まで主流であっ
た「建築会社が物件の仲介をし、その見返りとして特命で建築の受注
をもらう」という方法自体に限界があるのだという考えを持つようになり
ました。そしてこれに替わる新しい仕組みを創り出さないと、日本のロ
ードサイド店舗は地域住民の憩いの場となるようなものではなく、まる
でパッチワークのような、不自然で調和のとれない街を創って行くこと
になると思いました。そして、次のような新しい方法を考えたのです。

 まず第一に、「店舗仲介と建築請負は、別のビジネスとして考えなけ
ればならない」と思いました。建築会社ではなく不動産業として店舗の
出店情報を基に不動産仲介ビジネスをすることによって建築費の管
理ができ、テナントが過去の実績に基づいて査定する、適正な金額
で店舗を建てることができます。
そしてテナントの査定する建築費の金額をテナントに預託してもら
えば、土地オーナーは金融機関などから借り入れをしなくてもよくな
ります。万が一途中撤退する場合には、土地オーナーとテナントが
あらかじめ、「その預託金は放棄する」というペナルティをつけた賃
貸借契約を締結できれば、土地オーナーはリスクのない「自己責任」
の負える土地活用ができると考えました。
 第二に、「繁盛する店を創ろう」と思いました。住民に喜ばれる、調
和のとれた街創りに貢献する事が必要だと考えていたからです。
建築・不動産会社は、「建築すればそれで仕事は終わり」という考
え方ですから、店舗がオープンした後はその店の売り上げなど気に
しません。私は、地域の人々から真に求められる店舗や商業施設を
創ろうと思いました。私たちの得意とするエリアマーケティングを徹底
的に行い、地域の情報発信基地になれるような「不動産コンサルティ
ング」をしよう、と考えました。

 河﨑圭亮氏は、日本で初めてロードサイド店舗ビジネスをシステム
化され、ロードサイド店舗の生みの親と言われている方ですが、彼は
その著書の中で、大変当を得た指摘をされています。

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  『自分の土地ならどうするか、この活用の方法で充分まんぞく出来
  るか、自分の胸に言い聞かせてみて下さい。
  自由で豊かな発想は想像力を付けます。「土地活用」、地域創り、
  街創りは、相手(土地オーナー様、テナント様)の都合を余り考えな
  いでベストを想像する事です。それが最後に本当の土地オーナー
  であるお客様に一番喜んで頂けるという結果を残します。
  それが「想像から創造へ!」物事を思い浮かべ、ベスト、ワ―スト
  の絵を描き、実際の造り出す創造へ推移する力を付けることだと思
  います。
  土地オーナーの都合ばかりを考え、顔色を見ていてはよい発想
  は浮かびません。自分の為に、会社の為に土地物件さがしをしよう、
  また商いをしたいという考え方から脱皮してその地域の街創りはどう
  すればよいか、どんな街創りがその施設を利用して下さるお客様が
  喜んでくれるのか、その施設の良し悪しを決定するのは、その施設を
  利用し、楽しんでくれるお客様が決める事なのです。』
~河﨑圭亮著『Pro・Fit・System(プロ・フィット・システム)』より抜粋~
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 第三に、土地オーナーはテナントに店舗を貸すことで、不動産賃貸
業を営むことになりますが、私はその土地オーナーの経営に関するコ
ンサルタントをしよう、と思いました。
 賃貸マンションの大家さんは、家賃の回収、ゴミの分類や共用部分
の清掃、さらには家賃未納者の取り立てなど直接的な仕事があるの
で、自分が不動産賃貸業を営んでいるという実感があります。
ところが、ロードサイド店舗の場合は、家賃は決められた日に確実
に振り込まれますし、建物の清掃や管理もすべてテナントがやってく
れます。確かに楽なのですが、自分が不動産賃貸業を経営している
という感覚を失ってしまっている土地オーナーもいるのです。
経営者ならば、自分が貸している店の良い評判を聞けば一緒に喜
んだり、時々店に顔を出し、客の立場で「こんなふうにすればもっと
お客さんに喜ばれるのでは?」と店長にアドバイスしたりするべきで
はないでしょうか。
 また、テナントが焼肉店で、狂牛病問題がおこったとしましょう。
そんなときにテナントから賃料の減額の申し入れがあれば一緒に
悩んで、解決策を提示してあげる。時には土地オーナーから賃料
の減額を提案したり、業績が回復したときにはテナントに新たな賃
料条件を申し入れる。そんな不動産賃貸業を経営する土地オーナ
ーになっていただくためのコンサルタントをしていこうと思いました。
ですから店舗がオープンしてからこそが、コンサルタントの地ごとの
始まりです。
 私たちは土地オーナーの目となり耳となり、その店舗の経営状況
などの情報を土地オーナーに提供し、土地オーナーは繁盛店創り
に協力していただきたいと思っています。

では次回は・・・

【-想像から創造への街創り-
   「ティー・エス・ピー」を設立】

についてお話しします。

居抜き店舗のreTENPO
土地活用のTENPObe