2019年5月8日水曜日

GWは東北サイクリング(後編)


GW後半は、良い天気に恵まれました!



奥入瀬渓流



小岩井農場の一本桜
 
 

岩手山
 
 

中尊寺




* * *

【連載】失敗しない土地活用

 私の経験を基にリスクを最小限に押さえた土地活用のコツについて連載していきます。(2005年に私が出版した『自己責任型土地活用で、建築投資利回り48.3%、7つのポイント』を現在に合うように加筆・修正したものです。)
 

* * *

それでは早速、前回の続きです・・・


【#11】

『 誰も話さない「建築業界・不動産業界」のしくみ 』

(3)リース会社と組んで儲ける建築会社
   高い建築費をリース料に転嫁してしまう驚くべきしくみ

 あなたは、「事業用定期借地」、あるいは「定期借地」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 「定期借地」とは、1992年に施行された借地借家法の改正で創設された法律で、一定期間を経れば、期間を延長できず、借りた土地を土地オーナーに返還し、建物買取請求をしない賃貸借契約のことです。「事業用定期借地」も同じで、これは、土地オーナーが土地のみを一定期間事業用に貸すことができるというもの。

 この方法なら、土地オーナーは返還期限があるため安心して土地を貸すことができ、安定した地代収入が見込めます。契約は土地だけになり、店舗はテナントが建築会社に依頼して建てますから、多額のローンを組むなどリスクを負うこともありません。大変シンプルで合理的、土地オーナーにとってはすばらしい方法です。

 しかし、これでは建築会社は儲かりません。今まで魅力的な計画書を提示し、建築のことや業界のことはまるで素人の土地オーナーに「特命発注」をしてもらっていたのに、テナント相手ならそんなセールスはできません。

 そこで、考えたのがリース会社と組むことです。リース会社が土地オーナーの土地を事業用定期借地で借りて、高い建築費で店舗を建てるという方法です。リース会社は、リース料さえ負担してもらえれば、建築費には口出ししません。

 土地オーナーはリース会社から借地料をもらうだけなので、テナントの賃料(リース料)が幾らなのかわからず、テナント側も賃料に建築会社の儲け分までも入っていることは知らないのです。

 従来、建築費から得ていた利益を、リース会社から建築工事を受注することで確保し、高い建築費をリース料に転嫁してしまう・・・・、このように驚くべきしくみです。 これが通用するのは日本だけです。ロードサイド店舗先進国のアメリカのチェーン店は話を聞いたらびっくりします。建築費というものは、本来図面や材料費から割り出すもので、決して建築会社の儲けを優先して出すものではないからです。当たり前のことですが・・・・。


次回につづく・・・

* * *


土地活用のTENPObe

2019年5月7日火曜日

GWは東北サイクリング(前編)


10連休を利用して、8泊9日で東北サイクリングに行きました。
 

磐梯山


蔵王エコーライン 

 
蔵王山頂の御釜


 乳頭温泉郷







* * *

【連載】失敗しない土地活用

 私の経験を基にリスクを最小限に押さえた土地活用のコツについて連載していきます。(2005年に私が出版した『自己責任型土地活用で、建築投資利回り48.3%、7つのポイント』を現在に合うように加筆・修正したものです。) 

* * *

それでは早速、前回の続きです・・・

【#10】

『 誰も話さない「建築業界・不動産業界」のしくみ 』

(2)ロードサイド店舗専門・建築会社の営業マン
   摩訶不思議な計算で出す建築料金

 ロードサイド店舗とは、郊外にある車で食事に行くカジュアルレストランや、買い物をするスーパー、紳士服やカジュアル衣料のお店のことです。最近の店舗の主流ですね。

 ロードサイド店舗は、店舗つき賃貸マンションと異なり、まずテナントが先に決まっていて、そのテナントの希望する店舗を土地オーナーが建てるしくみになっています。しかし、土地オーナーが建築費をすべて自己資金で出すのではなく、店舗側は、「建設協力金」といって店を建てるためのお金を土地オーナーに預けてくれます。

 本来なら土地オーナーは建築費に自己資金はほとんど不要のはず。自己資金をあまり出さないで家賃収入が入る、リスクの小さい活用法なのです。

 ところが、それでは建築会社はあまり儲かりません。せっかく「テナント」を紹介するのだし、土地オーナーにはリスクも少ないのだから、ここは「特命受注」で儲けなくては・・・・。

 さて、特命受注をとれれば、あとは怖いものなどありません。競争相手はいないのですから、好きな金額を提示できます。

 ここで、儲けるための、摩訶不思議な計算ができあがります。賃料から投資利回りを考えて、建築費を算出するのです。例えば、賃料は100万円、投資利回りは20%にしよう、すると、建築費は6,000万円!(賃料÷建築費=投資利回り)という計算式があるのです。

 建設協力金は、4,000万円しかなくても、あと2,000万円は土地オーナーにローンを組んでもらえばいい・・・・、そう考えます。


 ローンを組んでもらうには、借金をしても得をする説得力のある材料が必要です。営業マンは、ここで、一生懸命バラ色の事業計画書を作るのです。テナントには3年毎に3~5%の賃料の値上げ、表向き賃料から建設協力金(契約期間で分割)返済分を引いた賃料は15年間の平均賃料を提示することで、ローンはらくらく返済、もちろんテナントが途中撤退する可能性は事業計画の中には出てきません。税金や火災保険料のほかに、何種類もの節税をくわしく説明して非常に儲かる印象に仕上げるのです。

 しかし、このデフレの中、毎年3~5%の賃料アップをOKするテナントがあるのでしょうか? どの店も経費を節約し、生き残ることに必死なはずです。

 この建築会社は、賃貸マンションの建築会社と同じで、建物の引き渡しが終わるまでが仕事です。建てた後、テナントに入った店が繁盛しないで、計画書どおりにならなくても、そして撤退することになって、土地オーナーに多額のローンが残っても、一切責任はとってはくれません。がっぽり儲けて後は知らんぷり。それが建築会社の営業マンなのです。

 それからもうひとつ、お話ししなければならないことがあります。テナントの選定方法についてです。ロードサイド店舗は、女性ドライバーも増え、車で移動することが当たり前になった今、どんどん数は増えています。ロードサイドの土地には、多くのチェーン店が出店を希望している状況です。

 では、ここに土地があるとして、建築会社はどうやって多くのテナントの中から、そのテナントを選ぶのでしょうか? 綿密なマーケティング調査でしょうか?

 答えは、「賃料の高さ」です。最も賃料の高いテナントを選ぶのです。先ほどの建築投資利回りの話を思いだしてください。賃料が高ければ高いほど建築費が高くなり、会社は儲かるのです。ところが、もともとしっかりしたマーケティング調査もしないままに出店し、おまけに高い賃料を支払っていますから、テナントが途中撤退する可能性が非常に高い。テナント側はできれば賃料は下げてもらいたい、と考えます。しかし土地オーナーは、3年後には5%のアップができるつもりでいます。その仲立ちをするのが建築会社のはずなのに、営業マンは3年毎の賃料改定にはあまり立ち会おうとしません。

 次に営業マンが来るのは数年後、テナントが高い賃料が払えなくなって撤退し、土地オーナにローンが残って困り果てているときです。「次のテナントをご紹介します。また、店舗を建て直しませんか」とさらに借金をさせ、会社の利益を得るために・・・・。


次回につづく・・・

* * *


土地活用のTENPObe